西南尾根は展望が良く、歩き応えのある期待通りの素晴らしさ。
やや距離があるので無雪期がオススメです。
霊仙山ってどんなとこ?
滋賀県犬上郡と米原市にまたがる、標高1,094mの山「霊仙山」
石灰岩が雨水に侵食されたカレンフェルトやドリーネなどのカルスト地形が見られる。
花の百名山に選ばれ、花の多い山として知られています。
登山ルート
西南尾根~落合の山行情報
日程 | 2017年3月5日 |
---|---|
ルート | 今畑登山口 ⇒ 西南尾根 ⇒ 最高点 ⇒ 霊仙山 ⇒ 避難小屋 ⇒ 汗拭峠 ⇒ 落合 |
アクセス | Googleマップで「落合神社 」を確認! |
三角点 | 霊仙山 二等三角点 「霊仙山」 |
周辺情報 | 駐車場はありません |
軌跡データ/標高グラフ
山行レポート
駐車地
(10:15)
今畑、落合登山口周辺に駐車場はありません。
残雪が路肩を埋め、駐車スペースが激減。
少し戻って車を駐められました。
落合神社に安全祈願へ立ち寄りましょう。
谷山谷登山道に次ぎ、惹かれた西南尾根登山道。
福寿草の季節に訪れようと気づけば2年が過ぎていました。
今畑登山口
(10:40)
今畑登山口。登山ポストがある。
残雪たっぷりの登山道が始まる。
![いち](https://ichi-trekking.com/blog/wp-content/uploads/2021/06/10797799280_IMG_1220-100x100.jpg)
![いち](https://ichi-trekking.com/blog/wp-content/uploads/2021/06/10797799280_IMG_1220-100x100.jpg)
今畑廃村
福寿草で知られる今畑廃村。林道から徒歩でしか来れない廃村だ。
無人の井戸からは水がこんこんと湧き続けていた。
![いち](https://ichi-trekking.com/blog/wp-content/uploads/2021/06/10797799280_IMG_1220-100x100.jpg)
宗金寺の軒先を借りて一休み。
雪解け水のポタポタ落ちる音、トントンと板を叩く音が心地良い。
![いち](https://ichi-trekking.com/blog/wp-content/uploads/2021/06/10797799280_IMG_1220-100x100.jpg)
今畑ルートは榑ヶ畑ルートと比べて登山者がぐっと少ない印象。
しかしながら、米原市公式登山道なので案内はしっかりしています。
残雪期は踏跡がしっかりと残り、赤リボンもしっかり。
夏季は登山道が分かりにくいけど、大丈夫そうだ。
少し残念に思いながら進めば、吹き溜まりにたっぷりの残雪。
両脇へ上がれば消耗は少ないけど、敢えて真ん中を突き進みます。
笹峠すぐのピークは絶好の霊仙山展望地。
・・・と思っていましたが西南尾根の南端にある近江展望台でした。
急斜面にはカレンフェルトが立ち並び、土が顔を出しています。
切り開かれた東側にはリョウシとコザト。
名前を知ると登りたくなるけど、お山は列を作って待っています。
でも、いつか登りに来れるよう覚えておこう。
その奥、鈴鹿山脈最高峰の御池岳はさすがの貫禄でした。
藤原岳は頭蛇ヶ平が精いっぱい・・・
(12:25-30)
案内板を過ぎると、近江展望台への急登が始まります。
ピンクリボンが案内してくれるけど、カレンフェルトで踏跡は不明瞭。
カレンフェルト間に露出する土がぬかるみ、危険なところもありました。
登山口の標高が600mを超えるからかすぐに福寿草に会えます。 山頂までゆっくり登っても1時間あれば十分登れるでしょう。 ...
急登に足を止め、振り返れば、左奥に鍋尻山が見えていました。
鍋尻山も福寿草が多く咲くらしく、来年には登りに行きたいところ。
鍋尻山 カルスト台地に咲く福寿草へ会いに行こう!
下から見えたのはピークですらありませんでした・・・
奥のピークは近江展望台、目指す霊仙山はちらりとも姿を見せてくれません。
(13:00)
偽ピークに思わず脱力した身体もこの眺望で元気を取り戻しました。
春霞で視界が遮られようと琵琶湖が元気をくれる。
「この標高なら雪は締まって踏み抜かないはず・・・」
残雪上の踏跡を追うも腰まで埋まってカレンフェルトへ撤退。
踏み抜いた先にカレンフェルトがあるとケガの危険が高まります。
近江展望台
(13:20)
鞍部から1時間登り続けて近江展望台へたどり着きました。
ここに来て霊仙山山頂、最高点が姿を表しています。
いつもなら軽快に駆け抜ける稜線も踏抜で走れず。
踏跡を追って巻いたこのピークは南霊仙でした・・・登っておくんだった。
「バンザーイ!バンザーイ!」との声が山頂から流れてきました。
良い大人が感情を露にできる登山って本当に素晴らしい!
こちらまで元気を分けてもらえました。
霊仙山最高点へと続く最後の稜線は雪庇が成長しています。
ここまで本格的な雪庇を目にするのは初めて!
雪庇上に踏跡を見つけて恐る恐るトライ。
一度、踏み抜いて落ちてみたいけれど、落ちた先は絶壁・・・
安全を確保できるところがあれば挑んでみたいですね。
霊仙山 最高点
(14:10)
伊吹山を背後に従える霊仙山最高点。
山頂まではもう少しあるけれど、長い稜線歩きはもう終わり!
最高点より西南尾根を振り返る・・・・すごく歩いたのに、それが感じられません。
無雪期はもっと楽に登れるんでしょうが、残雪期に来たかったんだから仕方なし。
霊仙山山頂へは一度降りての登り返し。
左奥の山頂には山頂碑がちょこんと頭を出しています。
(14:20)
山頂・最高点分岐から見る霊仙山山頂。
降りたか登ったか・・・急斜面には多くの踏跡が残っています。
どうやらこの小ピークを避けて直登されたようですね。
霊仙山 山頂
(14:20-25)
今畑登山口から3時間30分を掛けて霊仙山へ登頂!
誰もいない山頂で少し休み、避難小屋で昼食にします。
山頂の東斜面にはシュカブラが描かれていました。
少し硬いけど、雪山の醍醐味の一つ。
本日2回目の登り返しは榑ヶ畑ルート9合目でもある経塚山。
伊吹山を後方に従え、草木のない霊仙山は森林限界を突破したかのように思えて来ます。
カレンフェルトのない登山道は滑りやすいのでカレンフェルト内を行きます。
この1枚・・・青空の下で撮りたかった!
(14:40)
伊吹山を入れたら最高点と同じ構図になってしまった・・・仕方ないや。
避難小屋へは北東に伸びる尾根を行きます。
陽当たりの良さか登山道には残雪はなし・・・駆け下ります!
霊仙山避難小屋
(14:45-15:00)
いつもは登山者で賑わう霊仙山避難小屋も寂しい限り。
出発は遅れたけど、昼食がこの時間になるとは思っていませんでした・・・
箸がない・・・。枝で箸を作ろうにも周辺に木はありません。
カップラーメンは泣く泣く諦めて携行食を補給・・・満たされない。
エネルギーチャージに失敗しても最高点、山頂、経塚山が元気をくれました。
帰路は3年半振りの榑ヶ畑ルートで汗拭峠から落合へと戻ります。
雪に埋もれた夏道を踏跡を頼りに進んで行きます。
霊仙山の人気からすると踏跡が少ないような・・・?
(15:25)
お虎ヶ池は完全に雪に埋もれていました。
シュカブラがお虎ヶ池に注がれるかのように描かれています。
御猿岩から経塚山と霊仙山の鞍部が冬道となっているようです。
9合目の経塚山は絵になるので巻くのはもったいない・・・
(15:30)
お猿岩は雪に埋もれたようです。
雪面が汚れは人気の証・・・仕方なしです!
お猿岩を過ぎると雪は消える。足元が緩くペースを上げられません。
雪解け水が登山道に流れ込み、ぬかるみがすごい。
ぬかるみがひどく登山道外を歩いた方が安全です。
(15:45)
前回は眺望を楽しんだ見晴台も下りでは通り過ぎるのみ。
西南尾根からたっぷり眺望を楽しんで来ましたから!
これだけ幅があれば川となった登山道を避けて歩けました。
残雪期の下りは雪がなくとも油断禁物です。
(16:00)
落合へと続く大洞谷の最上流である源頭。
榑ヶ畑ルートとの分岐である汗拭峠までは大洞谷を離れ尾根を行きます。
石灰岩が露出する急なところもぬかるみに比べれば快適。
足を岩がしっかり受け止めてくれるので駆け下りられます!
歩いても走っても良い痩せ尾根。
秋には霊仙山へと続く紅葉のトンネルとして迎えてくれます。
汗拭峠(榑ヶ畑・落合分岐)
(16:05-15)
汗拭峠で休んでいると「山頂で熊見ませんでしたか?」
霊仙山で熊・・・確かに今畑登山口で熊の注意書があったような・・・。
何事もなかったようで良かった。
階段の丸太からきのこが顔を出していました。
きのこに和む日が来るとは・・・
落合登山道は整備がガクっと落ちます。
人気が高く大好きな霊仙山だけど、静かなルートもあるんです。
大洞谷まで降りると残雪が再び現れました。
朝は踏抜かなかった雪が柔らかく踏抜きだらけ。
数回訪れる渡渉ポイント。
ロープは借りないけど、目印としては本当にありがたい。
渡渉を終えると泥まみれのシューズが綺麗になった。
下山ルート終盤に渡渉する時は積極的に活用して行きましょう!
これも渡渉ポイント・・・?
ハシゴを登っても大変そうなので通過します。
少し歩き、浅いところで渡渉。
「どこかで渡れるだろう」とは思った通り、心配がいらない距離でした。
(16:50)
砂防ダムを過ぎ、足元をすくわれる残雪は終わり。
工事現場を経て林道へ入ります。
落合登山口
(17:00)
汗拭峠から駆け下りて45分で落合登山口へ。
ここから今畑登山口へは走って5分・・・お疲れさまでした!
まとめ
谷山谷登山道に次いで惹かれた西南尾根登山道。
「どうせなら福寿草の見られる残雪期に行くしかない!」
そう思ってから2年・・・福寿草には少し早かったのが残念でした。
福寿草は今畑廃村で見られるようです。
まだ雪が深く一輪すら見つけられませんでした。
西南尾根は展望が良く歩き応えがあり、期待通りの素晴らしさ。
やや距離があるので無雪期がオススメです。
残るは柏原ルートと河内ルート・・・また時間を空けて訪れようと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
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