竜ヶ岳以外でシロヤシオが楽しめると訪れた烏帽子岳。
花は咲いてはいたものの、裏年でその数は寂しいものでした。
表年のシロヤシオは是非、ご自分の目で楽しんでくださいね!
概要
岐阜県大垣市(旧養老郡上石津町)と三重県いなべ市にまたがる標高865mの山「烏帽子岳」
各地に散らばる烏帽子のような山の一つで、「美濃富士」とも呼ばれる。
山頂から三国岳方向へ進むとシャクナゲ群生地があり、五月上旬が見頃となる。
主な登山ルートは3ルート。
・細野ルート(烏帽子岳林間広場 ⇒ 大岩・展望岩分岐 ⇒ 大岩・展望岩合流 ⇒ 烏帽子岳)
・時山ルート(時山バンガロー村 ⇒ 鉄塔巡視路 ⇒ ホンシャクナゲ群生地 ⇒ 烏帽子岳)
・篠立ルート(長楽寺 ⇒ 狗留尊岳 ⇒ 烏帽子岳)
この他、三国岳からの縦走ルートを含むバリエーションルートがあります。
シロヤシオの穴場と聞き、細野ルートを再び登って来ました。
日程 | 2017年5月14日 |
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ルート | 烏帽子岳林間広場 ⇒ 大岩コース ⇒ 烏帽子岳 ⇒ 最高点 ⇒ 展望岩コース ⇒ 烏帽子岳林間広場 |
アクセス | Googleマップで「烏帽子岳林間広場 」を確認! |
三角点 | 烏帽子岳 三等三角点 「烏帽子岳」 |
周辺情報 | 烏帽子岳林間広場 駐車場 30台 |
トレッキングレポート
烏帽子岳 林間広場
(13:25)
いつもは閑散とした林間広場が登山者の車で賑わっていました。
シロヤシオに加え、ホンシャクナゲ咲くこの時期は最も烏帽子岳が輝きます。
車から降りるとシャガの大群生が出迎えてくれました。
シロヤシオを求めて来たけれど、春の花々も負けじと楽しませてくれます。
(13:35)
駐車場奥から登山道への道が始まります。
山へ入ってすぐ農道へ合流・・・登山口までは5分ほど。
階段を登ってすぐに現れたのはイワニガナ。
山に限らず、田畑や市街地にも自生しています。
農道へ合流してほんの少しだけ車道歩き。
左にある池に向かって歩いて行きましょう。
細野登山口
(13:45)
池を通り過ぎたところにある登山口。
周辺に駐車スペースはなく、林間広場から歩くしかありません。
柵扉の鍵は珍しいカラビナ。開錠が簡単で良いですね!
でも、猪の突撃に耐えられるか・・・いや、突撃しないか。
柵を過ぎて右に降りればいよいよ登山道の始まり。
目的を登頂からシロヤシオへと変えて4年振りの烏帽子岳へ入山!
細野ルートは急登と緩やかな登りを繰り返す登りやすいお山です。
少し開けた先に見えたのはお隣の狗留尊岳とP791。
左が狗留尊岳・・・狗留尊岳から烏帽子岳へ縦走ルートもあります。
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第一見晴ポイント
(14:15)
第一見晴ポイントは木々にさえぎられた残念ポイント。
見晴ポイントは第四までありますが、期待できるのは第四のみです。
数組の子連れ家族とすれ違いました。
いつかは家族で!と夢を描いていますがしばらく先・・・その日に向けて鍛錬を積んで行きます。
傾斜が落ち着けば新緑のトンネルが迎えてくれます。
駆け抜けたくなる気持ち良さ・・・下りは駆け下りよう!
新緑の若葉が心を躍らせてくれました。
触れると危ういほどの柔らかさ、あふれる息吹に力を分けてもらえたようです。
第二見晴ポイント
やや急な丸太階段を超えれば第二見晴ポイント。
分岐からはすぐなので立ち寄って行きましょう。
(14:35-40)
やはり木々にさえぎられる第二見晴ポイント。
前回はヤマヒルの襲撃を受けました・・・時期は注意してください。
「そろそろ1時間経つし休憩にする?」の声に「まだ大丈夫!」
野登山から一月振りの山行にも関わらず頼もしい限り。
第三見晴ポイント
(14:55)
登山道にある第三見晴ポイント。
すれ違った登山者にいろいろ教えていただきました。
「烏帽子岳はシャクナゲの山でシロヤシオは多くない。花は咲いていなかった」
第三見晴ポイントは見えなくはないものの・・・
展望は少し寂しいけれど、テンポ良く現れて疲労を忘れさせてくれます。
しなはやっぱり苔が気になるようで足を止めていました。
苔ならイブネ・クラシが浮かぶけど、距離がある上にヤマヒルも・・・難しいだろうな。
第四見晴ポイント
(15:10)
第四見晴ポイントに来て満足な眺望に会えました。
中央に見えるのは鈴養湖、奥には養老山地が連なっています。
大岩コース・展望岩コース分岐(下)
(15:15)
少し登れば大岩コース・展望岩コース分岐。
大岩コースが岩場なら下りは避けたい・・・左の大岩コースへ向かいます。
大岩コースは春の花々が迎えてくれました。
握り潰したかのように花弁がねじれているのはシキミ。
花、葉から茎、根まで毒をもっているので注意しましょう。
山でなくとも身近に見られるタチツボスミレ。
実は普通種のスミレよりも多く、日本を代表するスミレなんです。
小さくも華やかなセリバオウレン。
ピント調整に苦戦し、今回もうまくピントを合わせられませんでした・・・
葉に模様が入るヒメミヤマスミレ。
薄紫色のスミレは見慣れていますが、白い花は新鮮でした。
登山道脇から斜面にはイワカガミが咲いていました。
しなに横を歩いてもらえばもっと良い写真になりましたね!
「時期は終わっている」と聞いていたホンシャグナゲも咲いていました。
最盛期には遅れてきたけれど、こうして会えてよかった!
「咲いていない」と聞いていたシロヤシオも咲いていました。
白いシロヤシオは風景に埋もれやすく気付かなかったんでしょうね。
全く花をつけていない木もありました。
周りに落ちた花もないので、花が少ない裏年のようです。
シロヤシオは葉が特徴的な☆型・・・この葉を頼りに諦めずに登って行きます。
大岩コース・展望岩コース分岐(上)
(15:50)
春の花々を写真に納めつつ、シロヤシオを求めてゆっくりゆっくり・・・
気付けば大岩コース・展望岩コースの合流点へ。
烏帽子岳 山頂
合流点を過ぎればすぐに烏帽子岳山頂です。
シロヤシオを求めてゆっくりのいちを置いて、しなが一足先に登頂!
(15:55-16:05)
林間広場からゆっくり登って2時間20分・・・烏帽子岳山頂です!
山頂周辺はアセビとシロヤシオが多く見られました。
昨年の竜ヶ岳と比べるとちょっと寂しいけれど、裏年なら仕方ありません。
葉形で木を見分けて思いを馳せるのも悪くありませんでした。
烏帽子岳 最高点
(16:10)
少し足を伸ばして烏帽子岳最高点へ来ました。
山頂から最高点への稜線にもシロヤシオが多くみられました。
最高点から三国岳へ少し進めばホンシャクナゲ群生地も!
烏帽子岳山頂へ戻っていなべ市方面の眺望を楽しみました。
右に伸びる稜線は狗留尊山。烏帽子岳まで縦走ルートもあり。
右端にヤマツツジが綺麗に咲いて・・・隣は満開のシロヤシオ!? 狗留尊山はあまり知られていない静かなお山です。 真夏の低山で知らずにイワタバコの群生に出会えたのは幸運でした。 隠れた名 ...
隠れた名山 狗留尊山~烏帽子岳 長楽寺ルート
登山道から離れるので悪路と思いきや全く問題ありません。
ヤマツツジが目を惹いてくれたから満開のシロヤシオに会えた・・・ありがとう!
ここにある数本だけが見事に咲き誇っていました。
最後まで諦めずに探し続けて本当に良かった!
ここまでは花が少ないシロヤシオでしたがこれが本来の姿です!
このシロヤシオが烏帽子岳全体に広がった姿・・・見たかったなぁ
(16:30)
シロヤシオを満喫して山頂へ戻ると周囲がガスに包まれていました。
「なんかすごいよ!」両手を広げ全身でガスを受けるしな。
シロヤシオ鑑賞に携行食の補給していたら気付けば4時半・・・
日没まで余裕はあるけれど、駆け下りて展望岩コースへ!
展望岩
(16:40)
展望岩は烏帽子岳で一番の展望スポット。
視線を足元へ落とすといくつかホンシャクナゲが確認できました。
登山道を離れてホンシャクナゲの元へ。
やはりここも少し遅かったようでした。
シロヤシオは不発に終わったものの、しなの笑顔が救いでした。
駆け下りると1時間で林間広場へ戻りました。
まとめ
竜ヶ岳以外でシロヤシオが楽しめると訪れた烏帽子岳。
花は咲いてはいたものの、裏年でその数は寂しいものでした。
情報交換した登山者の中にはシロヤシオの存在に気付いていない方も・・・
今年は御在所岳も竜ヶ岳も裏年のようなので仕方ありません。
烏帽子岳は標高865mと高くなく、傾斜も緩やかで登りやすいお山です。
表年のシロヤシオは是非、ご自分の目で楽しんでくださいね!
最後まで読んでくださってありがとうございます!
烏帽子岳の山行記録
鈴鹿山脈の山行記録