鈴鹿セブンマウンテンに次ぐ鈴鹿山脈の名峰、仙ヶ岳。
落石だらけの石谷川林道に荒々しい岩稜が続く南尾根。
朽ちた橋、ハシゴ、鎖場と変化に富んだ楽しいお山でした!
仙ヶ岳ってどんなとこ?
三重県鈴鹿市、亀山市、滋賀県甲賀市にまたがる961mの山「仙ヶ岳」
900mを超える山としては鈴鹿山脈最南端。
東西に2つの峰があり、東峰に奇岩「仙ノ石」がある。
亀山7座トレイル 仙ヶ岳編(34秒)
登山ルート
(「観光パンフレットのお申し込み-すずかし観光ガイド 」より)
主な登山ルート
- 南尾根 ← このルートをご案内します
- 白谷道
- 御所谷
- 小社峠
- 仙ヶ谷
- 坂本
仙ヶ岳の山行情報
日程 | 2017年10月1日 |
---|---|
ルート | 白糸の滝駐車場 ⇒ 南尾根・白谷分岐 ⇒ 南尾根 ⇒ 仙ノ石(東峰) ⇒ 仙ヶ岳 ⇒ 白谷道 ⇒ 南尾根・白谷分岐 ⇒ 白糸の滝駐車場 |
アクセス | Googleマップで「白糸の滝駐車場 」を確認! |
三角点 | このルート上に三角点はありません。 |
周辺情報 | 白糸の滝駐車場 5台 |
「 三重県の山」掲載の白糸の滝・南尾根・仙ノ石から仙ヶ岳へ登頂。
白谷道を下る周回ルートを歩いてきました。
軌跡データ/標高グラフ
コースタイム
活動時間
4:00
距離
8.6 km
上り
920 m
下り
920 m
-
白糸の滝駐車場
15 分
-
小矢場峠
20 分
-
南尾根・白谷分岐
45 分
-
滝谷不動
45 分
-
仙ノ石
10 分
-
仙渓尾根・白谷分岐
5 分
-
仙ヶ岳
-
仙ヶ岳
5 分
-
仙渓尾根・白谷分岐
55 分
-
白谷・御所谷分岐
20 分
-
白雲の滝
5 分
-
南尾根・白谷分岐
5 分
-
小矢場峠
10 分
-
白糸の滝 駐車場
山行レポート
白糸の滝 駐車場
県道302号と新名神が交差する仙ヶ岳登山口バス停から茶畑へ入る。
石谷川林道は狭く荒れ気味。白糸の滝まではわずか・・・がんばりましょう。
正面は仙ヶ岳ではなく鬼ヶ牙だ。
(11:25)
白糸の滝駐車場、混雑の理由は松茸ハンターでした。
路肩も含め、5台ほど駐められる。
白糸の滝・三ツ淵へと続く階段。
どちらも滝カテゴリに加えたいけど、今回は時間が足りず・・・
石谷川林道
軽トラなら進めそうですが、この先は落石多数。
大人しく車を降り、仙ヶ岳登山が始まります。
各地で花が盗掘により数を減らしていると耳にします。
「とって良いのは写真だけ。残して良いのは足跡だけ。」
登山者にできるのは自然を壊さぬよう楽しませてもらうだけです。
歩き始めて数分、落石が行く手を阻む。
オフロード車なら進めなくもないかな?
石谷川林道は岩を切り開いて作られています。
期待した使い方とは違うだろうけど、ありがたく使わせてもらってます。
岩陰の苔にひっそりと生えるキノコ。
山菜やキノコの知識が欲しいけど、踏み出す勇気が持てません。
倒木が林道を貫き、横たわる。
雨のときは土砂の通り道になるんでしょう。
落石と言うより崩落・・・
危険を感じないのは感覚が麻痺してるんでしょうね。
頭上を気にしながら早々に駆け抜けましょう。
(11:45)
峠を全く感じられない小矢場峠。
小矢場峠コースは石谷川沿いのルートで廃道化。
石橋に土砂が流れ込み、半ば埋まっている。
朽ちない石橋のおかげでこうして進めます。
尾根沿いを左から右へ大きく回り込む。
荒々しい落石地帯は終わり、やがて石谷川林道は終点だ。
(11:55)
白糸の滝駐車場からおよそ30分で石谷川林道終点に到着。
いつもは退屈な林道歩きも落石のおかげで楽しく歩けました。
30分の林道歩きを終え、登山道が始まる。
鈴鹿セブンマウンテンほどではないけど、踏跡しっかり。
枯沢に掛けられた頼りない橋。
水も少ないので横を通り抜けましょう。
南尾根・白谷道分岐
(12:00)
南尾根・白谷道分岐。滝谷不動方向、南尾根へ。
渡渉した沢沿いをゆっくり登って行きます。
沢が奏でるせせらぎが癒しをくれる。
出発が遅くは焦る気持ちを落ち着かせてくれました。
落石が登山道を横切る。
このわずかな変化が足の疲れを忘れさせてくれる。
南尾根で強く印象に残った滝。
苔むす岩は滑りやすい。ロープを握ろう。
時間を掛けて穿たれた滝壺の深さに驚かされる。
ここでもう少し時間を使っても良かったな・・・
半ば朽ち橋は不安しかありません。
ロープを握り、斜面と橋に片足ずつ・・・慎重に。
水場
ガレの急登に興奮して勢い良く駆け上がる!
実はここ、登山道ではありません・・・引き返します。
過ちを繰り返さぬようテープを拾う。
ガレ場のペンキには本当に助けられた。
滝谷不動明王
南尾根に合流したところにある滝谷不動分岐。
滝谷不動へは数分、眺望もある。立ち寄りろう。
滝谷不動への道はちょっぴり急登。
左から回り込むように登ります。
滝谷不動の裏から大岩へ登れます。
不安を感じた丸太階段はしっかり固定されていました。
(12:50-13:00)
滝谷不動からは亀山市が一望できる。
眺望を楽しみながら携行食を補給。
仙ヶ岳方向を見れば岩壁が存在感を放つ。
これからアルペン的な表情を持つ南尾根の核心部・・・期待が高まる。
ちょっぴり驚かされた垂直ロープ場。
足掛かりが豊富にあり、難なく登れました。
足元に花崗岩が露出し始める。
続くと足が疲れるけど、少しなら歩みを早めてくれる。
連続するピークが待ち受ける南尾根の核心部が始まる。
ピークは東峰から数えてP1~4まで。
(13:20)
南尾根P4から眺めるP3・P2・東峰。
鎌ヶ岳の鎌尾根ほどインパクトはないけど、登り返しが連続する。
一面に広がるミツマタはまさに群生! 100座以上登っても知らない景色がそこには広がっていました。 鈴鹿山脈では今一つぱっ ...
東隣には野登山。
ミツマタの森から仙鶏尾根を経て、仙ヶ岳にも登れる。
ミツマタ浮かぶ幽玄の森 野登山 ミツマタの森~表参道
枝を針金でくくっただけのシンプルな階段。
針金は錆付き、切れてもおかしくない。注意してください。
(13:35)
P3から眺めるP2・仙ヶ岳。
南尾根を代表する風景が広がっています。
P2はちょっとした岩場登りが楽しめる。
急な岩場は腕を使えば、瞬く間に高度を稼いでくれた。
(13:45)
P2から眺めるP1・東峰。P1はP2に負けない存在感。
P1は緩やかで岩場登りはありません。
獅子岩の真横を通り抜けよう。
東峰を残すところまで来た。
仙ノ石がピークの右端に頭を出している。
仙ノ石
(13:50)
仙ノ岩は眺望あり、空間ありで休憩にぴったり。
しかしながら、山頂までは残りわずか・・・もう少しがんばろう。
仙鶏尾根・南尾根分岐
少し進めば南尾根・仙鶏尾根合流点。
仙ヶ岳・・・の前に東峰を踏みに行きます。
東峰周辺は踏跡が点在し、東峰への踏跡は薄い。
踏跡と高さを意識して東峰へ向かいましょう。
仙ヶ岳 東峰
(13:55)
小さな山名板が東峰を知らせてくれました。
展望がない小さな東峰は時が止まったかのような静けさだ。
目指す山頂は目前・・・東峰探索で足は回復。
高揚する気持ちのままに駆け下りる。
仙渓尾根・白谷道分岐
(14:00)
仙ヶ岳と東峰の鞍部にある白谷道分岐。
帰路はこの白谷道で下山します。
仙ヶ岳 山頂
(14:05-20)
仙ヶ岳は狭くザレた山頂。
白糸の滝駐車場から2時間40分・・・ほぼコースタイム通りです。
山頂標識の奥には宮指路岳から鎌ヶ岳へのびる稜線。
鈴鹿セブンマウンテンを完登しても、鈴鹿山脈の山は尽きる気配はありません。
登って来た南尾根・・・山頂からだと荒々しさが隠れちゃいますね。
奥の末広がりは明星ヶ岳かな?
御所谷や御所平も気になるけど、時間が許してくれません。
鬼ヶ牙経由の大周回を組んでみるのも面白いかな?
(14:20)
鞍部へ戻り、白谷道から下山。
薄い踏跡はすぐに明瞭になっていきます。
やがて水のない白谷へ下りる。
少し進めばガラガラとした谷筋歩きが始まります。
浮石だらけの谷底より踏跡のある左岸を歩こう。
しかしながら、左岸歩きも長くは続きません。
白谷道、お気に入りの1枚。瑞々しい木々が優しい光を届けてくれた。
足元が悪く変化のない下りだけど、歩いていて気持ち良い。
谷から少し離れるときもあります。
浮石のない地面のありがたさが身に染みました。
まず迷う心配がない白谷道ですが、ケルンが元気を分けてくれました。
人の痕跡にほっとするのかな?
気付けば白谷に水が流れ始めていた。
この先、渡渉を何回も繰り返します。
谷筋から解放され、歩きやすい登山道へ入る。
これまでのストレスを発散するように駆け抜けて行く!
砂防ダム
倒木が登山道を通せんぼ。
乗り越えるには大きい、下を潜り抜けよう。
ここまで信頼できない橋もなかなかありません。
しかも、こんな橋が三度繰り返されます。
隙間に足を滑らせないように慎重に足を運びます。
絶叫マシンでは味わえない恐怖感がありました。
(15:30)
崩落で埋められた登山道をハシゴで迂回。
ハシゴが新しい・・・増水で流されたのかな?
ハシゴを下って振り返ると、目を見張る光景。
丸みを帯びた岩に透き通った水がどこか神秘的に感じられた。
鎖場
子供達が喜びそうな天然プール。
残念ながら白雲の滝は見落としてしまいました・・・
(15:50)
どうやら旧営林署小屋は畳まれてしまったようです。
登山者が活用できたけど、何かしら事情があるんでしょうね・・・
石谷川林道は駆け抜けて15分で白糸の滝駐車場へ戻りました。
まとめ
鈴鹿セブンマウンテンに次ぐ鈴鹿山脈の名峰、仙ヶ岳。
落石だらけの石谷川林道に荒々しい岩稜が続く南尾根。
朽ちた橋、ハシゴ、鎖場はほど良い刺激をくれます。
鈴鹿セブンマウンテンより整備は劣るものの変化に富んだ楽しいお山でした。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
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