御在所ロープウェイと観光リフトの利用して山頂までワープ。
寒さと雪に体力を奪われる過酷な雪山も下山だけなら楽しさしかありませんでした。
自らの足で登られる方々には申し訳なく思うものの、「あり」と断言します!
概要
三重県三重郡菰野町と滋賀県東近江市に跨る標高1,212 mの山、「御在所岳」
急峻な岩壁、桜やツツジなどの花々、紅葉、樹氷や雪遊びと一年を通して楽しめる。
山頂部までロープウェイと観光リフトが通じており、多くの人々が訪れています。
(「(登山マップ-菰野町 」より)
積雪期の伊吹山登山を無事終え、次のステップとして選ばれたのは御在所岳。
「ロープウェイで樹氷と氷瀑を見に行こう!下りはヒップそりを楽しもう!」
綿向山で苦い経験を積んだしなをハードルをぐぐっと下げて口説き落としました!
日程 | 2017年2月12日 |
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ルート | 御在所ロープウェイ(湯の山温泉駅 ⇒ 山頂公園駅) ⇒ 観光リフト(ロープウェイ駅 ⇒ 頂上駅) ⇒ 御在所岳 ⇒ 裏道(第一ケルン ⇒ 国見峠 ⇒ 藤内小屋 ⇒ 蒼滝不動) ⇒ 湯の山温泉駅 |
アクセス | Googleマップで「御在所ロープウェイ 」を確認! |
三角点 | 御在所岳 一等三角点 「御在所岳」 |
周辺情報 | 御在所ロープウェイ駐車場 360台 1,000円 |
御在所ロープウェイ(湯の山温泉駅 ⇔ 山上公園駅) 片道 1,240円 観光リフト(ロープウェイ駅 ⇔ 頂上駅) 片道 300円 |
トレッキングレポート
(10:30)
出発したときは快晴にも関わらず現地は雪・・・
駐車場への行列も長く、渋滞から駐車するまで30分ほど掛かりました。
御在所岳は観光地化しているので大混雑!
重装備の登山者にスキーヤーやスノーボーダー、軽装の観光客。
楽しみ方はそれぞれですが目的地は同じ・・・ちょっと不思議な感じ。
見たところ登山者はごくわずか・・・ほとんどが観光客でした。
下山のみは邪道かもしれませんがこんな楽しみ方もたまには良いでしょう。
しなに雪山を体験させるのが目的なので登りはまた挑みに来ます。
(10:40)
御在所ロープウェイは定員こそ少ないものの一分間隔で運行。
長い行列もみるみる進んでいきます。
新穂高や駒ヶ岳と比べるとぐぐっとコンパクトなゴンドラ。
最大10人乗りなので2、3組も入れば定員に達してしまいます。
湯の山温泉駅から山上公園駅までは約15分の空中散歩。
麓でさえ雪が積もっているのに山頂はどれほどの雪深さだろう?
高度の上昇と共に期待がどんどん膨らんで行く!
数分高度を上げただけで雪が目に見えて大きくなって行きます。
中道の登山者に手を振り、雪が舞う景色を眺めていれば15分はあっと言う間でした。
(11:05)
山上公園駅から観光リフトに乗り継ぎ、山頂までワープ!
頂上駅まで風雪に晒されるので少し気合がいるかもしれません。
観光リフトからは樹氷にゲレンデと素晴らしい眺め。
・・・なのに利用者はほとんどいませんでした。
樹氷に手が届きそうなところもありました。
少し下ってカモシカ駅を過ぎると再び高度を上げていきます。
(11:15)
樹氷にゲレンデを眺めていたら頂上駅が目前に。
雪に興奮気味のしなは早く来いとばかりに足を宙に揺らしていました。
無雪期は腰を下ろせた石垣が完全に雪の下に。
周辺は登山者がわずか数名・・・寂しい。
童心に返って駆け回るしな。
後姿からは喜びがあふれ出しているかのよう!
綿向山の撤退で雪山に苦手意識を抱かずに本当に良かった・・・
走り回って雪に埋まって落ち着いたところで樹氷観察。
観光リフト沿いの樹氷より目に見えて大きく枝がスノーモンスター化。
眺望に惹かれないしなもこの雪景色には「綺麗やね・・・」
積み重なった樹氷は荒々しい彫刻のような美しさ。
ただの積雪ではこの曲線は出せません。
樹氷を一通り愛でたらスキーゲレンデをヒップそりで滑走!
「写真撮るから待ってて!」の声が雪にかき消され届かなかった結果の1枚です。
ゲレンデを滑りきれば正面にゲレンデが表れます。
傾斜が緩く初心者にはぴったり!本格デビュー前の子供達が練習に励んでいました。
(11:40)
下山予定の一の谷新道へはまず山上公園駅を目指します。
ちょっぴり困った遊歩道はカモシカ駅をくぐり抜けた先に続いていました。
楽しみにしていた氷瀑は期待ほどの大きさはなく・・・
最終的は高さは10mにも達するそうですがまだ成長途中ですね。
(11:50-12:20)
昼も近づいたので大混雑のレストランアゼリアにて昼食。
こちらの薬草天ぷらそばは770円・・・温かい食べ物が本当にうまい!
昼食を終えて、下山は一の谷新道へ。
氷瀑を過ぎて見えるのは足跡のない登山道・・・
試しに進んでみるものの、すぐに腰まで埋まる雪深さ。
国土地理院地図になく、雪深い未踏破ルートへしなを連れて行くのは無理と判断。
・・・そんな考えとは裏腹にしなは大喜びでこの写真を撮っていました。
国見峠まで歩いた経験のある裏道なら大丈夫かな?
観光リフトの下をくぐり抜けて第一ケルンのある裏道下山口へ。
(12:35)
数年振りに季節を変えて訪れた第一ケルンは通り過ぎそうに・・・
第一ケルンを左に下りていけば裏道が始まります。
・・・始まらなかった。裏道も完全に雪に埋もれていました。
進むか引き返すか迷う中「止めた方が良い」とのアドバイスも・・・。
少し進んでみると膝まで埋まるけど、これくらいなら!
足跡一つない冬の御在所岳を歩けるとは思ってもみない幸運でした。
最初は引き気味だったしなも雪の深さに過去にない黄色い声を上げています。
風が岩を巻き、雪を吹き飛ばしてできた不思議な光景。
滑落して岩で怪我をしないよう大きく内側を歩いていきます。
踏跡を追えずず、登山道を外れたら樹氷のトンネルをくぐって復帰。
このトンネルを通れたのも道をはずしたからこそ!
雪に覆われた岩場はどこか柔らかい印象を受けます。
滑らないように慎重に歩きましたが雪の深さのおかげで問題なく進めました。
麓の湯の花温泉駅から降り続いた雪が一瞬止み、青空が顔を出してくれました。
やっぱり雪山には青空が似合う!
ちょっとした傾斜にヒップそりに挑むも滑らない・・・
「進まない!進まないよ!」
「国見峠を過ぎれば滑れるからもう少しがんばって!」
(13:20)
後続が続々と追いつき10名ほどの行列ができていました。
いちが胸まで埋まったり、しなが首近くまで埋まり両手を引かれて救出されたり。
経験のない雪の深さに二人とも大興奮しながらの国見峠。
後続に先を譲り、残されたトレースを使えばワカンも必要ありません。
ここからヒップそりが大活躍!
「ヒップそりはトレースを消す」と賛否両論あるようですね。
二人の結論は・・・ヒップそりがないなんて考えられない!
写真を忘れて楽しんでしまいました。
(14:10)
気になっているものの挑めずにいる藤内壁分岐。
そう遠くないうちにモンベルの講習を受講しようと思っています。
国見峠以降の半分以上がヒップそりで降りられるものの、滑り続けるわけではありません。
トテトテーっと歩いては滑り降りるしなに置いていかれるいち・・・。
この鎖場を過ぎれば間もなく藤内小屋。
下り始めておよそ2時間・・・ちょっと休んでいきましょう。
もうで不安しかない橋は意外なほど安定していました。
踏み固めてくれた先行者へ本当に感謝。
(14:30)
国見岳へと続く国見尾根分岐。
ゆるぎ岩に乗っているしなを撮りに行かなくちゃ!
(14:35-50)
藤内小屋の軒先で休ませていただきました。
実はずっと我慢していたトイレ、お借りしようとしたら故障中でした。
もう1時間くらいがんばるしか・・・ない。
藤内小屋から少し進めば、再びヒップそりの出番がやってきます。
この数時間でかなりうまくなってる・・・
スマホを雪上に落としたらレンズ内が曇ってしまいました。
気落ちするいちを励まそうとしなが笑顔を向けてくれるけど、その笑顔も霞んじゃってるよ!
隙間だらけのこの橋もなかなかスリルがありました。
年に何人かはここから落ちているんでしょうね・・・
(15:10)
この巨大な砂防ダムは左右に巻かずにまさかのくぐり抜け。
ヒップそりで滑り落りたところで鈴鹿スカイラインへ合流。
楽しいヒップそりエリアは残念ながら終了です。
(15:20)
数組が蒼滝橋を渡って行きますが、湯の山温泉へは橋の手前を降りていきます。
(15:30)
いくつかの立派な橋を越えると蒼滝分岐。
蒼滝への遊歩道が整備されているようで柵もしっかり。
・・・なのに数m滑り落ちるアクシデント。油断なりません。
(15:35)
蒼滝不動にはベンチもあり、ありがたい休憩スポット。
初の本格ラッセルにヒップそりと本当に楽しい雪山でした。
アクシデントもあったけど、無事に下山できて感謝!
蒼滝不動の参道からは御在所ロープウェイのゴンドラが通過して行きます。
この時間になると降りていく人ばかり・・・さあ、帰ろう。
参道の石段にヒップそりが使えずがっかりのしな。
はしゃいで忘れていた疲れもあってか驚くほど静か・・・
(15:40)
裏登山道1合目からは車道を歩いて5分で湯の山温泉駅です。
寒さと雪に体力を奪われる過酷な印象の雪山ですが、楽しさしかありませんでした。
御在所ロープウェイと観光リフトの利用して山頂までワープ。
自らの足で登られる方々には申し訳なく思うものの、「あり」と断言します!
下りであれば体力の消耗はもちろん、雪のクッションで足へのダメージも小さくなります。
時折表れる急なところはヒップそりがあればアトラクションへと変化。
いつもの忍耐や達成感はなくともあふれる楽しさ。
こんな雪山を始めてみるのも良いんじゃないでしょうか?
御在所岳の雪山下山・・・おすすめです!
最後まで読んでくださってありがとうございます!
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