乙女渓谷は観光地化しないのが不思議なくらい完璧な整備。
夫婦滝をはじめとした滝群、カモシカ渡しや兜岩といった難所も楽しい!
やや体力が必要ですが見どころ豊富な素晴らしいお山です。
ココに注意
二の谷こと乙女渓谷は遊歩道崩落のため、通行止めです。
二の谷こと乙女渓谷の通行止めは解除されました。(2020年7月16日)
最新情報は商工観光情報-中津川市 をご確認ください。
概要
岐阜県中津川市、長野県木曽郡にまたがる標高1,982mの山「小秀山」
山の上部には烏帽子岩や鎧岩などの巨岩が点在し、兜岩と呼ばれる巨岩のピークがある。
山頂からは大きな御嶽山をはじめ、白山・中央アルプスが一望できる。
日程 | 2018年8月5日 |
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ルート | 乙女渓谷 ⇒ 山小屋 ⇒ カモシカ渡り ⇒ ニの谷・三の谷合流 ⇒ 兜岩 ⇒ 小秀山 |
アクセス | 東海環状 美濃加茂IC下車80分 Googleマップで「乙女渓谷 駐車場 」を確認する |
三角点 | 小秀山 二等三角点 「小秀山」 |
周辺情報 | 乙女渓谷キャンプ場 駐車場 100台 500円 |
トレッキングレポート
(7:25)
別山で激しい筋肉痛を乗り越えて、更なる調整に選んだのは小秀山。
以前から興味を抱きながらも遠さから敬遠していましたが調べてみると2時間・・・
鈴鹿へ行くと変わらないじゃないか!っとやってきました。
小秀山登山の起点となる乙女渓谷キャンプ場。
まずは正面の中央管理棟へ立ち寄りましょう。
(7:30)
出窓の受付で登山届を投函して駐車場代の支払い。
小秀山の標高は2,000mほど。涼を求めた登山者が殺到するかと思いきや寂しい限りです。
中央管理棟右の階段を降りれば、二の谷登山口。
乙女渓谷の森として遊歩道が整備されています。
眼下を流れるのは小秀山を源流とする加子母川。
乙女渓谷キャンプ場ではマスのつかみ取りが楽しめます。
幼い頃につかみ取りして食べたマス・・・美味しかったな。
乙女渓谷はねじれ滝、夫婦滝などをはじめとする絶景の連続。
5月はシャクナゲが咲き、10月下旬から11月上旬は紅葉が見頃となります。
初めから登山道に水が流れ込んでる。
ぬかるまない砂利の登山道で助かった・・・
早朝の森はどこか空気が澄み、歩いていて気持ち良い。
丸太階段は時間を掛けて森と溶け込んでいますね。
登山者でなくとも楽しめる遊歩道。
立派な遊歩道に案内板、観光地化していないのが不思議・・・
透き通った清流が美しい碧水湖。
足を水に浸けたりしてのんびりしたかったな・・・
碧水湖に続いて、いくつもの天然プールが見られました。
遊歩道から出られるのならタオルを冷やしに行くのに・・・
屏風岩を過ぎると階段の斜度がぐぐっときつくなります。
やがて始まる登山道へのアップだと思えば苦になりません。
(7:50)
右へ左へと振られるねじれ滝。
水流を飽きずに見ていられる不思議な滝でした。
立派な遊歩道から少し離れると朽ちた丸太階段が迎えてくれました。
シャクナゲが包み込むかのようにトンネルを作っています。
急にシャクナゲが増えて来たのでシャクナゲ群生地に納得!
シャクナゲが咲く5月が楽しみでなりません。
登山道が始まるかと思いきや遊歩道が再開。
登りだけでなくわずかながらに下るところもあります。
(7:55)
ちょっぴり遠い和合の滝。
まるでお預けを喰らってるみたいだ・・・
声の泉ではせせらぎが囁きのように聞こえる?
・・・残念ながら乙女はお花を摘みへ出かけているようです。
観光気分で登るにはつらい道へ変化。
でも、登山道だと思えば何の問題もありません。
落石で遊歩道が分断されています。
乙女渓谷は落石により通行禁止とされるときが多いのも納得・・・
少し下ったところにある広場は快適空間。
理由は分からないけど涼しく、足を止めてしまいました。
展望台からは夫婦滝が見えるようです。
迫り出した木とガスに邪魔され確認できません・・・
石段ともガレ場とも言えそうな道が続きます。
大きさが不揃いなくらいが登りやすいんだよね。
(8:20)
遊歩道は気持ち良く疲れはないけれど、山小屋に立ち寄り。
登り始めておよそ1時間・・・休憩にぴったりのタイミング!
軽い気持ちで登山道に入り込むと往復10km、標高差1,000m。
強い警告も納得の中上級者コースが始まります。
雨が降ったわけでもないのに水が流れる登山道。
苔生しているのでこれがいつもの光景なんでしょうね。
(8:30)
烏帽子岩の看板から振り返ると、木々の奥にありました。
烏帽子よりも伏せた盃がしっくり来ます。
良く分からなかった旧夫婦滝展望台。
二筋の夫婦滝を一望できる唯一のスポット・・・撮り逃しに悔いが残ります。
(8:40-50)
落差80mを誇る夫婦滝(男滝)は大迫力!
舞い落ちる水しぶきが涼しく、思わず休憩に入ってしまいました。
夫婦滝を左から巻くように登山道が続きます。
一部壊れたはしご・・・時には使わないと言う判断も大切です。
落差80mを巻くだけあって傾斜がぐぐっと増して来ました。
夫婦滝で冷ました身体から再び汗が噴き出します。
崩落したところには新しい丸太橋にロープが完備。
三本の丸太で作られた橋は安心して身体を預けられました。
(9:00)
10分ほど登れば、夫婦滝の滝口。
ここで足を滑らせれば80mの急降下・・・これ以上近寄れません。
小秀山登山のおよそ1/3地点となる子滝。
この子滝が男滝へと大きく成長します。
夫婦滝を過ぎ、登山道はどんどん険しさを増して来ました。
快適な遊歩道は見る影もありません。
(9:15)
小滝の更に上にある孫滝。
これで行くと次はひ孫滝・・・ありませんでした。
やがて手を使って登るところが出てきました。
中・上級と言われ強めの警告にも納得の瞬間です・・・
烏帽子岩に続く巨岩の一つ・・・鎧岩。
左から回り込んで迂回します。
登り始めて2時間・・・一組の登山者との出会い。
不思議と心がほっとしました。一人も悪くないけど寂しいもんね。
(9:40)
休憩地にと決めていた第一展望台。
晴れ予報は少し遅れているようです。山頂には間に合ってくれるかな?
(10:20)
カモシカ渡りの斜度には驚かされました・・・ほぼ垂直。
手掛かり足掛かりが豊富ですが、滑らないようにだけ注意してください。
隊列を組んで登っていますが、滑落したときに大事故に発展します。
巻き込まれないよう間隔を開けて登った方が安全です。
急登を終えて振り返ると、ガスが晴れて眺望が回復。
山頂から御嶽山が姿を見せてくれますように・・・
やや荒れて踏み跡が不明瞭な登山道。
尾根を詰めて行くだけなので不安はありませんでした。
(10:40-45)
帰路の分岐点となるニの谷・三の谷分岐。
少し先に休憩適地3があるので休憩するのも良いでしょう。
残るは兜岩・高原・・・小秀山登山の収穫タイムが始まります。
(11:05)
拳を空に突き上げるかのような兜岩。
これまでの巨岩とは一線を画す存在感にワクワクが止まらない!
兜岩周辺は絶好の展望地。
突き出した岩に乗れば、御嶽山も顔を出してくれました。
黒谷林道歩きこそ退屈ですが、登山道の整備は完璧。 緩やかでとても登りやすく、山頂部の笹原は開放感たっぷり! 眺望素晴らし ...
昨年、御嶽山の笠に泣いた白草山。
開放的な稜線と山頂が魅力の楽しいお山でした。
御嶽山の展望と開放的な稜線が素晴らしい 白草山 乗政ルート
「どちらのルートも最大の危険個所にて慎重に」
残念ながら断崖横断コースはロープが張られ立ち入れません。
兜岩では御厩野から加子母村までが一望。
足元の危うさに眺望は3割増し!
登山道が高原に入り、直射日光が降り注ぎます。
傾斜は落ち着いたけけど、じりじりと体力が奪われていく・・・
(11:25)
天気が良ければ名古屋まで見えるらしい第一高原。
この高原は第三まで続きます。
ちょっぴり存在感を放っていた前山。
尾根伝いに唐塩山まで歩けるようです。
第一高原から見えていた前山・唐塩山への分岐。
前山・唐塩山を巡る大周回コースも?
例えでなく本当に根こそぎ倒された木は衝撃的でした。
巨岩みたいに名前を付けたくなるくらい。
(11:40)
第二高原・・・日本二百名山に相応しいしっかりとした踏跡へと変化。
気持ち良くて駆け出したいのに、動かない身体がもどかしい!
やっと姿を現した小秀山・・・終わりが見えて気力は回復。
足は軽くなり少しだけペースも上を向いて・・・すぐ戻る。
(12:00)
最後のチェックポイント、第三高原。
山頂までは一登り。高原歩きで癒された足に力が入ります。
(12:10)
一登りは10分ほど。突き当たって左手には秀峰舎。
山頂はすぐそこだけど、見つけちゃったら避けては通れません。
乙女渓谷の山小屋と同じくとても綺麗。
ゆっくりできる・・・けど、山頂で御嶽山を眺めながらゆっくりしたい!
(12:15)
乙女渓谷キャンプ場から休憩込みで4時間45分。
別山を乗り越えて目覚めるかと思いきや、休憩し過ぎました。
体力の衰え楽しみよりも修行色が強くなっちゃった・・・
小秀山のマスコットとしてオコジョが紹介されていました。
賑やかな二百名山の山頂で出会うには幸運が欠かせなさそう。
雷鳥にすら会えないいちの運では・・・
長野県側、王滝村へ登山道が続いていました。
標高差600mとゆるーく登れるルートです。
山頂標識を左奥にある岩に登れば御嶽山が迎えてくれました。
御嶽山の雄大さはいつまでも見ていられます。
早く入山規制解除されないかな・・・
2,000mに満たない小秀山だけど、パンはパンパンだ。
・・・しながいたら怒られそうだ。
(13:15)
塩分が欲しいのかな?俺の汗で良ければいくらでも分けてあげるよ。
岩上で横になっていたら、いつの間にか一時間が過ぎ去っていました。
(14:00)
駆け下りて45分ニノ谷・三ノ谷分岐まで戻って来ました。
カモシカ渡りや乙女渓谷は駆け下りるに向かないので三ノ谷へ入ります。
三ノ谷は九十九折れの緩やかな登山道。
駆け下りるにはぴったりだけど、変化がなく黙々と降りるのみ。
(14:30)
やがて笹が姿を消し、枝が払われていない杉林。
誰ともすれ違わない中、小さなケルンが癒しをくれました。
(14:50)
少し広くなっている休憩適地1。
一気に駆け下りて来たので足が痛くなってきた・・・
(15:10)
山の神に手を合わせて山行の無事を感謝。
標高差1,000mはなかなかの登り応えでした。
大山神社、登山ポストを過ぎれば三ノ谷登山口。
長距離お疲れさまでした!
・・・と思いきや始まる林道歩き。
乙女渓谷キャンプ場までもう少しだけ続きます。
(15:25)
この水場には本当に救われました。
冷水で汗を拭ってタオルを冷却・・・生き返るー!
(15:35)
林道ゲートを抜け、5分ほど歩けば乙女渓谷キャンプ場です。
右手に現れるピンクテープは近道・・・少し不明瞭ですが心配せず使いましょう。
乙女渓谷に魅せられて興味を抱いた小秀山。
やや遠く、距離が長いので訪れるまでに時間が掛かってしまいました。
乙女渓谷は観光地化しないのが不思議なくらい完璧な整備。
落差80mを誇る夫婦滝(男滝)は見応えたっぷり!
カモシカ渡しや兜岩といった難所も登り応えがあります。
標高差1,000m超、歩行距離10km以上と間違いなく中級コース。
労力に見合った感動をくれるお山でした!
最後まで読んでくださってありがとうございます!
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