昨年は強風濃霧の中で登頂。先々週は雨で登山口撤退。
やっと晴天に恵まれ平瀬道から白山を登って来ました。
室堂周辺はまさに花の百名山!高山植物のお花畑が広がります。
概要
富山県、石川県、福井県、岐阜県にまたがる両白山地の最高峰、「白山」
最高峰の御前峰(2,702m)・剣ヶ峰・大汝峰の「白山三峰」を中心とする山峰の総称。
日本有数の花の山としても知られ、初夏には高山植物の花畑求めて登山者が集います。
(「登山道の概要-白山観光協会 」より)
登山ルートは多岐に渡るので一部を抜粋して紹介します。
・砂防新道( 別当出合 ⇒ 甚之助避難小屋 ⇒ 黒ボコ岩 ⇒ 弥陀ヶ原 ⇒ 室堂 ⇒ 白山 )
・観光新道( 別当出合 ⇒ 殿ヶ池避難小屋 ⇒ 黒ボコ岩 ⇒ 弥陀ヶ原 ⇒ 室堂 ⇒ 白山 )
・平瀬道( 白水湖 ⇒ 大倉山 ⇒ 室堂 ⇒ 白山 )
この他、古の禅定道や新岩間温泉、中宮温泉、白川郷から登るルートもあり。
室堂周辺はお池めぐりコースを初め、サブコースが充実しています。
今回は平瀬道で白山最高峰の御前峰へ至り、大汝峰を経てお池めぐりを戻りました。
ココに注意
白山公園線は土砂崩れなどの災害で通行止めになるときがあります。
白山周辺の道路の通行状況 を確認しましょう。
日程 | 2016年7月10日 |
---|---|
ルート | 平瀬道 ⇒ 室堂 ⇒ 御前峰 ⇒ 大汝峰 ⇒ お池めぐり ⇒ 室堂 ⇒ 平瀬道 |
グレーディング | 体力度 4/10 難易度 C/E |
アクセス | Googleマップで「白水湖畔ロッジ 」を検索! |
三角点 | 大倉山 三等三角点 「寒倉」 御前峰 一等三角点 「白山」 |
周辺情報 | 平瀬道登山口 駐車場 20台 大白川温泉露天風呂 駐車場 60台 |
大白川温泉露天風呂 大人:500円 小人:200円 |
トレッキングレポート
(6:05)
早朝6時にも関わらず、平瀬登山口前駐車場は満車。
少し先の大白川温泉にも大駐車場があるのでそちらへ向かいます。
(6:10)
収容台数60台を誇る大白河温泉は半分ほど埋まっていました。
さすが全国的な知名度を誇る白山と言うところでしょうか?
その全てが登山客と言うわけでもなさそうですが、人気の高さがうかがえます。
(6:25)
一ヶ月振りの山行に加えて徹夜明け、コンディションは決して良くはありません。
しかしながら、晴天の白山に胸膨らみ気力も充実!
更に気合を入れるべく白水湖畔ロッジでコーヒーを頼もうとしたものの営業時間外・・・。
案内に従いトイレ横から平瀬道登山口へ。
早朝の森林散策は素晴らしい・・・心の底から癒されていくようです。
昨年は真っ白で何も見えなかった白山が歓迎してくれてるかのようだ!
(6:30)
平瀬道登山口は日本三名山に相応しい立派な門構え。
白山室堂まで6.9km、参考タイム4時間10分の山行スタートです!
駐車場からも見えていた平瀬道 登山口休憩所。
こちらで登山届を提出し、靴底の土をしっかり落として入山。
平瀬道は東海自然歩道を彷彿とさせる丸太階段から始まります。
いざ歩いてみると段差に無理のない快適な階段でした。
少し登れば丸太階段も終わり。
やっぱり自分で歩幅を決められる方が疲れないしペースも上がります。
(6:55)
まずは白瀬登山口から1.0km地点。
この先も定期的に現在地をお知らせしてくれました。
やがてブナの原生林へ。
展望はなくともこのブナ達が目を楽しませてくれます。
(7:15)
平瀬登山口から2.0km地点の旧案内は朽ち折れていました。
朽ちた道標は古くから愛され続けて来た証。
この道標は何代目なんだろう?
(7:25)
気付けばブナ林を抜け、笹が多くなってきました。
高度は上がってきているものの、朝日を浴びて体感温度は上昇。
一月振りの鈍った身体に試練の時が訪れます。
(7:40)
日が当たり出して白山の花々が表れました。
平瀬道、最初のお花畑は黄色いクモマニガナ。
1時間と少し登り続けてようやく白水湖を望めました。
美しいエメラルドグリーン・・・と言うには透明度が足りない?
御前峰、剣ヶ峰の前に表れたのは別山。
標高2,399mにも関わらず、この時期にも雪渓を残しています。
銚子ヶ峰に登った時にその存在を知り、次は別山までと誓った思い入れのあるお山です。
振り返れば、北アルプスに御嶽山が一望できました。
昨年、北アルプスを3座登頂した経験もあって槍ヶ岳から穂高連邦までしっかり。
わずかながらにも山座同定をできるようになって行くのが喜びの一つ。
(7:55)
平瀬登山口から3.0km地点。
ここまで1時間半弱歩いておよそ4割ほど・・・標準タイム通り。
(8:05)
やがて右手が開け、白山の双耳峰が出迎えてくれました。
昨年はガスに包まれこの姿を目にできず悔しい思いをしました。
先々週は雨で登山口撤退・・3回目の挑戦でやっと!
この辺りから花の百名山が徐々に本領を発揮。
こちらは白山の名前を冠するハクサンチドリ。
カラマツソウ。
ヒトリシズカが頭をかすめましたが関係ありませんでした。
ニッコウキスゲ。
お腹が空いていたのか美味しそうに見えていました・・・
花々を楽しみながら稜線を嬉々として進んで振り返ると
実感なく薄く切れ落ちたところを歩いていたようです。
(8:30)
登山道に突然表れた大倉山の山名板。
山頂とありますがここに三角点はありません。
踏跡が奥に続きますがすぐ消失・・・藪が濃く断念しました。
(8:35)
丸太造りの立派な大倉山避難小屋。
この長い平瀬道ではありがたい存在です。
タンポポの綿毛のように可愛いオオバミゾホオズキ。
黄色いスミレかなと思いきや全く別物でした。
鞍部まで少し降りて大倉尾根最後の登りに入って行きます。
振り返ると大倉山が北アルプス・御嶽山を左右に従えていました。
この斜面は陽当たり良好らしく花々が咲き乱れていました。
こちらは鮮やかな黄色が印象的なシナノキンバイ。
橙色がとても可愛らしいクルマユリ。
球根は食べられますが指定植物なので採取は禁じられています。
初対面のゴゼンタチバナ。
和名の御前橘は白山最高峰の御前峰に由来しています。
白山に限らず広く分布しているようですね。
眼下に広がるニッコウキスゲの群落。
下から群落に気付き、まだかまだかと楽しみに登って行くうちに
いつの間にか通り過ぎていたようです・・・少し遠いのが残念でなりません。
登山道脇にあるニッコウキスゲの群落。
先ほどの群落とは比べ物にならない近さに足を止める方が続出していました。
振り返ると大倉山があんなに小さくなっていました。
白山は花々の種類も豊富で気付くと時間が過ぎ去って行きます。
サンカヨウ。
雨に濡れると花びら薄い透明へと変化。
いつかその姿を見られるかな?
(9:35-40)
少し広くなっているカンクラ雪渓展望地で一服。
ここまで花を撮り、足を止めながらで3時間。
御前峰下にあるカンクラ雪渓。
道標があるくらいなので万年雪なのでしょうね。
室堂までは残り1.2km・・・もうひとがんばり。
室堂を目前にして最後の急登。
ここまで来たら補給は室堂で・・・と決めていましたが判断ミスでした。
補給なしの身体は重く幾度も足を止めながら登りつめれば平坦地へ。
これまでの足の重さが嘘のように飛んでいきました。
高山植物のお花畑が労うかのように出迎えてくれました。
道中では潤い不足だったハクサンフウロも瑞々しく元気に満ちあふれています。
(10:10)
賽の河原は室堂まで0.6km地点。
もう大した登りもなく軽快に足を進めて行きます。
・・・が花に展望にと思わず足が止まるけど、これは仕方ない!
「あの雰囲気のある別山の頂へ立ちたい。」 ぼんやりと描いた小さな夢を5年経ってようやく叶えられました。 体力に自信のある ...
銚子ヶ峰山頂から見える山容が素晴らしく印象に残る別山。
白山から見える山容も変わらずかっこいいですね。
いつか美濃禅定道で日帰り縦走をと思っていましたがテント泊で白山まで来ても良さそう。
多様な高山植物が咲き誇る健脚ルート 三ノ峰・別山 上小池ルート
(10:15)
南竜山荘へと続く展望歩道分岐。
およそ中間地点にアルプス展望がありますがこれも次回のお楽しみ。
白山の登山道は多岐に渡るので網羅するにはまだまだ時間が掛かります。
今回一番のお気に入りはハクサンコザクラ。
大汝峰周辺の大群落は本当に見応えがありました。
室堂ビジターセンター周辺の室堂平にはクロユリが大群生。
花言葉に「愛」と「呪い」を持ち、ハエを誘う香りを放つ不吉な花と扱われますが
ここでは人気が高く感じられました。
(10:30)
登山口から4時間で室堂へ到着。
参考タイムは4時間10分・・・やっぱり身体が衰えていますね。
御前峰を眺めながらゆっくり補給。
雲一つないと言うわけではないけれど、晴れてくれて本当に良かった!
一度は登った白山だけど、また違った展望を楽しめそうです。
(10:50)
20分掛けてしっかりチャージ!
山頂を目前に足も心も軽さを取り戻しました。
こんなところまでタンポポが・・・?
高山種のミヤマタンポポでした。
(11:10)
天上界と地上界の境界を示す青石を越えれば
間もなく、神々の住まう高天ヶ原へ入ります。
日本有数の霊山だけあって神話の世界が広がっていますね。
(11:30)
山頂の白山奥宮に手を合わせ、すぐそこの御前峰の頂へ!
前回、訪れた時は濃霧と暴風で全く展望が得られませんでした。
山頂からは乗鞍岳を思い出す大展望が広がります。
これこれこれ!この景色を楽しみに登って来た!
このまま剣ヶ峰・大汝峰と登頂し三峰踏破したいところですが
残念ながら剣ヶ峰への登山道はありません。
振り返ると室堂ビジターセンターがあんなに小さい!
・・・思ったより小さくなってない。標高差250mだしね。
別山は完全に雲の中だけど、贅沢言うと怒られちゃうかな?
(11:50)
御前峰から少し池をめぐり大汝峰を目指します。
ザレた登山道に巨岩と雰囲気は一変!
(11:55)
思わず惚れ惚れする巨岩は天柱岩。
白山のオベリスクとも言えるこの存在感!
御宝庫から紺屋ヶ池へはガレ場の急降下。
周りにガスが流れ始めたのでペースを上げて行きます!
紺屋ヶ池へと続く登山道の両脇にはケルンが積まれていました。
ここを賽の河原と言われたら思わず納得してしまいそう・・・
雪渓上で遊べるけど、登山道は雪渓を避けるように続いて行きます。
今回、雪渓歩きはなしかと残念に思っていたらあった!
ほんの数mですが翠ヶ池横の雪渓を横断。
肝心の翠ヶ池はガスで水面を確認できず・・・
お池めぐり最大の池なのでちょっぴり残念でした。
(12:15)
ぐるっとUターン気味に戻って血の池。
夕日が差し込むと赤く色づくそうですが、泊りでないとその姿を見るのは難しそうですね。
(12:20)
ここからが未踏ルート!
お池めぐりを抜け大汝峰へ向かいます。
(12:25)
大汝峰・中宮道分岐を越えるとすぐに登りが始まります。
御前峰と比べると目に見えて整備が低下。
明らかに御前峰とは別物となっている大汝峰。
ここでは写っていませんがペンキが案内してくれました。
登り切ると大汝峰山頂へ続くビクトリーロード!
まだ力不足ですが積雪期に訪れたら気持ちよさそう!
(12:40)
お池めぐり・大汝峰分岐から20分で登頂。
思ったよりずっと早く山頂を踏めました。
翠ヶ池は姿を表したものの剣ヶ峰と御前峰が雲隠れ・・・
20分待って完全にガスは晴れずこれが限界でした。
(13:00)
封鎖された大汝小屋から北へ降り、巻道で戻って行きます。
はっきり言って無駄な遠回りだけど、時間もまだある・・・大丈夫!
ハイマツ帯に伸びる登山道が心を躍らせてくれます。
奥へ続く七倉山も・・・どこまでも稜線を歩いて行けそう。
(13:10)
七倉山に後ろ髪引かれつつも大汝峰の巻道へ。
焦らなくても七倉山を通るルートはいくつもある。
どれも片道7時間超のロングコースだけど・・・
ハート形の花びらが特徴的なミヤマダイコンソウ。
室堂周辺で見られない花も多く遠回りして本当に良かった。
大汝峰南斜面は見事なお花畑が広がっていました。
大汝峰に登らずとも立ち寄る価値はありますよ!
(13:40)
大汝峰・お池めぐり分岐まで戻って来ました。
前回は近道で戻ったのでお池めぐりをしっかり楽しみに行きます。
五色池のすぐ隣にある百姓池。
周辺にはミヤマキンバイとチングルマが咲き乱れています。
御前峰を大きく巻いて室堂へ向かいます。
すっと伸びて行く登山道は大好物!
どこにも見られなかったハクサンシャクナゲ。
未踏破ルートを歩くとこんなご褒美もあるからやめられない!
キヌガサソウをそのまま小さくしたようなこの花はツマトリソウ。
(14:10)
室堂ビジターセンターで水を補給し、御前峰にお別れの御挨拶。
晴れてくれてありがとう。三峰の荒々しい山容に加え、高山植物のお花畑・・・最高でした。
平瀬道へ歩み始めると、御前峰が一瞬にして雲隠れ。
「あぁ、待っていてくれたんだな」と一人で納得。
意気揚々と駆け下り2時間で下山できました。
前回、前々回と天候に恵まれなかった白山。
晴天に恵まれ御前峰からの展望をこの目で見れました。
御前峰・剣ヶ峰・大汝峰を一望できなかったのは残念ですが満足しています。
平瀬道はニッコウキスゲ、ハクサンフウロをはじめとする高山植物も豊富。
水場がないのが注意点ですが室堂に至れば給水できます。
展望歩道分岐後のハクサンコザクラの群落は目を見張るものがありました。
翠ヶ池の雪渓歩きに大汝峰のお花畑。
どれも時間を掛けて歩く価値のあるところばかり。
体力がなくとも室堂で宿泊すれば無理なく楽しめます。
日帰りも山小屋泊も縦走もできる懐の深さ。
体力レベルに合った楽しみ方ができる素晴らしいお山でした!
最後まで読んでくださってありがとうございます!
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