東海・北陸 白山

日本有数の霊峰は高山植物の宝庫!白山 平瀬道~大汝峰・お池めぐり

2016-08-20


昨年は強風濃霧の中で登頂。先々週は雨で登山口撤退。
やっと晴天に恵まれ平瀬道から白山を登って来ました。
室堂周辺はまさに花の百名山!高山植物のお花畑が広がります。

概要

富山県、石川県、福井県、岐阜県にまたがる両白山地の最高峰、「白山」
最高峰の御前峰(2,702m)・剣ヶ峰・大汝峰の「白山三峰」を中心とする山峰の総称。
日本有数の花の山としても知られ、初夏には高山植物の花畑求めて登山者が集います。

(「登山道の概要-白山観光協会 」より)

登山ルートは多岐に渡るので一部を抜粋して紹介します。
・砂防新道( 別当出合 ⇒ 甚之助避難小屋 ⇒ 黒ボコ岩 ⇒ 弥陀ヶ原 ⇒ 室堂 ⇒ 白山 )
・観光新道( 別当出合 ⇒ 殿ヶ池避難小屋 ⇒ 黒ボコ岩 ⇒ 弥陀ヶ原 ⇒ 室堂 ⇒ 白山 )
・平瀬道( 白水湖 ⇒ 大倉山 ⇒ 室堂 ⇒ 白山 )
この他、古の禅定道や新岩間温泉、中宮温泉、白川郷から登るルートもあり。
室堂周辺はお池めぐりコースを初め、サブコースが充実しています。

今回は平瀬道で白山最高峰の御前峰へ至り、大汝峰を経てお池めぐりを戻りました。

ココに注意

白山公園線は土砂崩れなどの災害で通行止めになるときがあります。
白山周辺の道路の通行状況 を確認しましょう。

日程 2016年7月10日
ルート 平瀬道 ⇒ 室堂 ⇒ 御前峰 ⇒ 大汝峰 ⇒ お池めぐり ⇒ 室堂 ⇒ 平瀬道
グレーディング 体力度 4/10 難易度 C/E
アクセス Googleマップで「白水湖畔ロッジ 」を検索!(荘川ICより55分)
三角点 大倉山 三等三角点 「寒倉」
御前峰 一等三角点 「白山」
周辺情報 平瀬道登山口 駐車場 20台
大白川温泉露天風呂 駐車場 60台
大白川温泉露天風呂 大人:500円 小人:200円

トレッキングレポート

大白川温泉駐車場


(6:05)
早朝6時、平瀬登山口前駐車場は満車。
奥にある大白川温泉の大駐車場へ向かいましょう。


(6:10)
大白河温泉は半分ほど埋まっていました。
全てが登山客でもなさそうですが、人気の高さがうかがえます。


(6:25)
一ヶ月振りの山行に加えて徹夜明け、コンディションは決して良くはありません。
しかしながら、晴天の白山に胸膨らみ気力も充実!
更に気合を入れようと白水湖畔ロッジでコーヒーを飲もうとしたら営業時間外・・・。


案内に従いトイレ横から平瀬道登山口へ。
早朝の森林散策は素晴らしい・・・心の底から癒されていくようです。
昨年は真っ白で何も見えなかった白山が歓迎してくれてるようだ!

平瀬道登山口


(6:30)
平瀬道登山口は日本三名山に相応しい立派な門構え。
白山室堂まで6.9km、参考タイム4時間10分の山行スタートです!


駐車場から見えていた平瀬道 登山口休憩所。
登山届を提出し、靴底の土をしっかり落として入山。


平瀬道は丸太階段から始まります。
段差が小さく快適な階段でした。


丸太階段は少し登れば終わり。
自分で歩幅を決めた方が疲れないしペースも上がります。


(6:55)
まずは白瀬登山口から1.0km地点。
この先も定期的に現在地をお知らせしてくれます。


やがてブナの原生林へ。
展望はなくとも、ブナ達が目を楽しませてくれます。


(7:15)
平瀬登山口から2.0km地点の旧案内は朽ち折れていました。
朽ちた道標は長く愛された証。何代目の道標だろう?


(7:25)
ブナ林を抜け、笹が多くなってきた。
高度が上がって気温は下がるはず。だけど、陽射しを浴びて体感温度は上昇。
一月振りの鈍った身体に試練が訪れます。


(7:40)
日が当たり出して白山の花々が現れました。
最初のお花畑は黄色いクモマニガナ。


1時間と少し登り続け、白水湖が望めました。
美しいエメラルドグリーン・・・と言うには透明度が足りない?


御前峰、剣ヶ峰の前に表れたのは別山。
標高2,399mだけど、この時期に雪渓を残しています。
銚子ヶ峰で存在を知り、次は別山までと誓った思い入れのあるお山です。


振り返れば、北アルプスに御嶽山が一望できました。
昨年、北アルプスを3座登頂した経験が生きて、槍ヶ岳から穂高連邦までしっかり。
山座同定が少しずつできていくのが嬉しい。


(7:55)
平瀬登山口から3.0km地点。
ここまで1時間半弱歩いておよそ4割ほど・・・標準タイム通り。


(8:05)
やがて右手が開け、白山の双耳峰が出迎えてくれた。
昨年はガスに包まれこの姿を目にできず、悔しい思いをしました。
先々週は雨で登山口撤退・・3回目の挑戦でやっと!


花の百名山が本領を発揮。
ハクサンチドリ、カラマツソウ、ニッコウキスゲ。

 


花々を楽しみながら稜線を嬉々として進み振り返ると
実感なく切れ落ちた登山道を歩いていたようです。


(8:30)
登山道に突然現れた大倉山の山名板。
山頂とありますが三角点はありません。
踏跡が奥に続きますがすぐ消失・・・藪が濃く断念しました。

大倉山避難小屋


(8:35)
丸太造りの立派な大倉山避難小屋。
長い平瀬道ではありがたい存在です。


黄色いスミレかと思いきやオオバミゾホオズキ。


鞍部まで降り、大倉尾根最後の登りに入ります。
振り返ると大倉山が北アルプス・御嶽山を左右に従えていた。

陽当たり良好らしく花々が咲き乱れていました。
鮮やかな黄色のシナノキンバイ、白く透けるギンリョウソウ。

橙色がとても可愛らしいクルマユリ。
初対面のゴゼンタチバナ。和名の御前橘は白山最高峰の御前峰に由来しています。


眼下に広がるニッコウキスゲの群落。
下から群落に気付き、まだかまだかと楽しみに登って行くうちに
いつの間にか通り過ぎていました・・・少し遠いのが残念。

こちらも白山の名を冠するハクサンフウロ。
登山道脇のニッコウキスゲの群落。あまりの近さに足を止める方が続出していました。


振り返ると大倉山があんなに小さくなっていました。
白山は花々の種類が豊富で気付くと時間が過ぎ去って行きます。


サンカヨウ。
雨に濡れると花びら薄い透明へと変化。
いつかその姿を見られるかな?

カンクラ雪渓


(9:35-40)
少し広いカンクラ雪渓展望地で休憩。
ここまで花を撮り、足を止めながらで3時間。


御前峰下にあるカンクラ雪渓。道標なので万年雪でしょう。
室堂までは残り1.2km・・・もうひとがんばり。


室堂を目前にして最後の急登。
ここまで来たら補給は室堂で・・・と決めていましたが判断ミスでした。


補給なしの身体は重く幾度も足を止めながら登りつめれば平坦地へ。
足の重さが嘘のように飛んでいきました。


高山植物のお花畑が労うように出迎えてくれました。
道中では潤い不足だったハクサンフウロが瑞々しく元気に満ちあふれています。

賽の河原


(10:10)
賽の河原は室堂まで0.6km地点。
大した登りはなく足を軽快に進めて行きます。
・・・が花に展望にと思わず足が止まるけど、これは仕方ない!


銚子ヶ峰から見える山容が素晴らしく印象に残る別山。
白山から見える山容も変わらずかっこいいですね。
いつか美濃禅定道で日帰り縦走をと思っていましたがテント泊で白山まで来ても良さそう。



(10:15)
南竜山荘へと続く展望歩道分岐。
およそ中間地点にアルプス展望があるけど、これも次回のお楽しみ。
白山の登山道は多岐に渡るので網羅するには時間が掛かります。


室堂ビジターセンターが見えた!

室堂周辺はまさにお花畑!
コシジオウレンとハクサンコザクラの群落。

ミヤマキンバイの群落も見事でした。
室堂ビジターセンター周辺の室堂平にはクロユリが大群生。

白山室堂ビジターセンター


(10:30)
登山口から4時間で室堂へ到着。
参考タイムは4時間10分・・・身体が衰えていますね。


御前峰を眺めながらゆっくり補給。
雲一つないわけではないけれど、晴れてくれて本当に良かった!
一度は登った白山だけど、違った展望を楽しめそうです。


(10:50)
20分掛けてしっかりチャージ!
山頂を目前に心も身体も軽さを取り戻しました。

登山道脇に花開くのはイワツメクサ。
高山種のミヤマタンポポも咲いていました。


(11:10)
天上界と地上界の境界を示す青石。神々の住まう高天ヶ原へ入ります。
日本有数の霊山は神話の世界が広がっています。


ハイマツに覆われながらも整備の行き届いた石段が続きます。

白山 御前峰


(11:30)
山頂の白山奥宮に手を合わせ、すぐそこの御前峰の頂へ!


前回、訪れた時は濃霧と暴風で展望がありませんでした。
山頂からは乗鞍岳を思い出す大展望が広がります。


これこれこれ!この景色が見たくて登って来た!
このまま剣ヶ峰・大汝峰と登頂し三峰踏破したいところですが
残念ながら剣ヶ峰への登山道はありません。


振り返ると室堂ビジターセンターがあんなに小さく。
・・・思ったより小さくなってない。標高差250mだしね。
別山は雲の中だけど、雄姿を見たかったな・・・


(11:50)
御前峰から池をめぐり、大汝峰を目指します。
ザレた登山道に巨岩群にと雰囲気が変わる。


(11:55)
惚れ惚れする巨岩は天柱岩。
白山のオベリスクとも言える存在感。


その奥には御宝庫。


御宝庫から紺屋ヶ池へはガレ場の急降下。
ガスが流れ始めた・・・ペースを上げて行きます!


(12:00)
降り切って左を見れば小さな油ヶ池。


紺屋ヶ池へと続く登山道の両脇にはケルンが積まれていました。
賽の河原と言われたら思わず納得してしまいそう・・・


雪渓上で遊べるけど、登山道は雪渓を避けるように続いて行きます。


今回、雪渓歩きはなしかと残念に思っていたらあった!
ほんの数mですが翠ヶ池横の雪渓を横断。


肝心の翠ヶ池はガスで水面を確認できず・・・
お池めぐり最大の池なのでちょっぴり残念でした。


(12:15)
ぐるっとUターン気味に戻って血の池。
夕日が差し込むと赤く色づきます。泊りでないとその姿を見るのは難しそうですね。


(12:20)
ここからが未踏ルート!
お池めぐりを抜け、大汝峰へ向かいます。


(12:25)
大汝峰・中宮道分岐を越えると登りが始まる。
御前峰と比べて明らかに整備されていない。

御前峰とは別物となっている大汝峰。
ここでは写っていませんがペンキが案内してくれました。


登り切ると大汝峰山頂へ続くビクトリーロード!
まだ力不足ですが積雪期に訪れたら気持ちよさそう!

白山 大汝峰


(12:40)
お池めぐり・大汝峰分岐から20分で登頂。
思ったよりずっと早く山頂を踏めました。


翠ヶ池は姿を表したものの剣ヶ峰と御前峰が雲隠れ・・・
20分待って完全にガスは晴れずこれが限界でした。


(13:00)
封鎖された大汝小屋から北へ降り、巻道で戻ります。
無駄に見える遠回りだけど、時間はある・・・大丈夫!


ハイマツ帯に伸びる登山道が心を躍らせてくれます。
奥にある七倉山も・・・どこまでも稜線を歩いて行けそう。


(13:10)
七倉山に後ろ髪引かれつつも大汝峰の巻道へ。
焦らなくても七倉山を通るルートはいくつもある。
どれも片道7時間超のロングコースだけど・・・


ここに来てまだ見ぬチングルマの群落。

下界では春先に見られるコイワカガミ。
どこかメルヘンで可愛らしいアオノツガザクラ。


ハート形の花びらが特徴的なミヤマダイコンソウ。
室堂周辺にない花が多く遠回りして良かった。


大汝峰の巻道は登りをあまり意識せずぐんぐん進めます。


大汝峰南斜面は見事なお花畑が広がっていました。
大汝峰に登らずとも立ち寄る価値はありますよ!


(13:40)
大汝峰・お池めぐり分岐まで戻って来ました。
お池めぐりを再開、しっかり楽しみに行きます。


(13:45)
先ほど登った大汝峰と五色池。


五色池のすぐ隣にある百姓池。
周辺にはミヤマキンバイとチングルマが咲き乱れています。


御前峰を大きく巻いて室堂へ向かいます。
すっと伸びる登山道は大好物!

どこにも見られなかったハクサンシャクナゲ。
キヌガサソウを小さくしたような花はツマトリソウ。


室堂平のお花畑を横切り室堂へ戻りました。

白山室堂ビジターセンター


(14:10)
室堂ビジターセンターで水を補給し、御前峰にお別れの御挨拶。
晴れてくれてありがとう。三峰の荒々しい山容、高山植物のお花畑・・・最高でした。


平瀬道へ歩み始めると、御前峰が一瞬にして雲隠れ。
「あぁ、待っていてくれたんだな」と一人で納得。
意気揚々と駆け下り2時間で下山しました。

まとめ

前回、前々回と天候に恵まれなかった白山。
晴天に恵まれ御前峰からの展望をこの目で見れました。
御前峰・剣ヶ峰・大汝峰を一望できなかったけど、満足しています。

平瀬道はニッコウキスゲ、ハクサンフウロをはじめとする高山植物が豊富。
水場がないのが注意点ですが室堂で給水できます。
展望歩道分岐後のハクサンコザクラの群落は目を見張るものがありました。

翠ヶ池の雪渓歩きに大汝峰のお花畑。
どれも時間を掛けて歩く価値のあるところばかり。
体力がなくとも室堂で宿泊すれば無理なく楽しめます。

日帰りも山小屋泊も縦走もできる懐の深さ。
体力レベルに合った楽しみ方ができる素晴らしいお山でした!

最後まで読んでくださってありがとうございます!

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