錫杖ヶ岳、経ヶ峰に続く、3座目に選んだのは霊山。
鈴鹿山脈と比べて積雪が少ないので四季を通して楽しむことができます。
ひっそりとした登山道の奥には磨崖仏や中世寺院遺跡が待っています。
概要
三重県伊賀市下柘植にある標高765mの山「霊山」
布引山地の北端に位置し、台形状の独立峰として見える。
休憩所や遊歩道が整備され、山頂まで車で登ることもできる。
4月中旬には麓の霊山寺で「さくら祭り」が開催される。
日程 | 2019年2月17日 |
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ルート | 霊山寺 ⇒ 霊山 |
アクセス | Googleマップで「霊山寺 」を確認する(伊賀ICより12分) |
三角点 | 霊山 一等三角点 「霊山」 |
周辺情報 | 霊山寺 駐車場 50台 |
トレッキングレポート
霊山寺
(13:40)
衰えた足に喝を入れるべく、経ヶ峰に続き、霊山へやってきました。
少し荒れた林道を抜けたところにある霊山寺が登山口。
「三重県の山」にも掲載され、そこそこの知名度があるはずですが
参拝者、登山者はなく、寂しい限り・・・
(13:45)
苔生して朽ち始めている手洗場は詫び錆びの世界。
本堂は全てが瓦ではないような・・・不思議な形をしていますね。
石段を登り、本堂を右へ進むと石仏達が見送ってくれました。
本堂で安全祈願したばかりだけど、思わず手を合わせます。
ここからは旧参道。緩やかでしっかり整備されています。
少し荒れた登山道にある偽木階段はどこか浮いて見えますね。
登山道脇には石仏が崩れ落ちたまま・・・
荒れ果てた姿に残念な気持ちと廃墟感に興奮する気持ちがぶつかります。
旧参道だけあって石仏が点在。
悠久の時間、参拝者・登山者の無事を祈り続けてくれています。
荒れた姿を見せるけど、登山道は良く踏まれ明瞭。
まだまだ傾斜も緩く、軽快に進んで行きます。
長い時間と共に自然と一体化した石仏。
言葉にできないけれど、どこか心を和ませてくれます。
石仏に生えた苔からの芽吹き。
人が彫った石仏が自然の中で新たな役割を果たす・・・この感覚はなんだろう?
一合目
(13:55)
立派な看板が出迎えてくれました。
ここが登山口かと思いきや一合目でした。
心無いいたずらか案内板の文字が削り取られていました。
「自然を大切に」の文字が寂しく映ります・・・
櫻地堂
2号目を過ぎると多くの倒木が頭上を横切ります。
風に揺られミシミシと軋む音が響き渡っていました。
信仰の山だけあって登山道は明瞭。
ただ落ち葉はあまり踏まれていません。
支えを失っても役目を全うするベンチ達。
低過ぎてちょっぴり腰を下ろしにくい・・・でも、ありがたい。
3合目に辿り着く頃には支尾根に乗っています。
6合目までは緩やかな登りが続きます。
崩れた石段に登山道を阻む倒木。
ところどころで荒れた姿が見られました。
崩落が進み、幅がどんどん削られて行きます。
踏み固められていると言えど、油断は禁物。
(14:15)
霊山寺から30分ほどで5合目に辿り着きました。
「三重県の山」登りのコースタイムは1時間5分・・・良いペースです。
全く気配も感じられなかった雪が現われました。
さっき登った経ヶ峰でも降ってたもんな・・・当然か。
六地堂
大岩に彫られた磨崖仏、六地蔵。
雪の手ぬぐいが可愛らしいですね。
ピークを巻きながら進めば、入道ヶ岳が思い出されるアセビのトンネル。
(14:25)
緩やかな傾斜が続く7合目。
火照った身体に下がって来た気温が心地良い・・・
痩せ尾根にはロープが張られています。
足元が見えないから高度感はないけど、滑落に注意しましょう。
さいの川・原地堂
「さいの川」の下には「原地堂」
謂れは不明。霊山寺で尋ねてみたら分かるかな?
(14:30)
登山道の変化に目を奪われていたら瞬く間に8合目。
この先も変化が続き、飽きることなく山頂へ導いてくれます。
旧参道であることを示し続ける石段。
下の方で崩れていた石段とは格が違いますね。
たいこ岩
太鼓を埋めたかのような「たいこ岩」
思わず叩いちゃったけど、ぺちぺちと音を立てるだけでした・・・
霊山・霊山寺・東海自然歩道分岐
(14:35)
田代池から続く東海自然歩道との合流点。
目指す霊山の頂までは500m・・・目と鼻の先です!
ここからは芝敷きでベンチもある山頂エリア。
補給休憩にもぴったりだけど、山頂はすぐそこ・・・誘惑をはねのけます。
9合目を過ぎて、蕾を膨らませたアセビが現れました。
まだ雪が舞う季節だけど、春への備えは着々と進んでいます。
山頂へ続く最後の丸太階段。
緩やかな登山道続きで脚力は回復・・・さあ、駆け上がれ!
「最後の丸太階段」は「最後の階段」ではなかった・・・
今度こそ、最後の階段です!
霊山山頂
十合目・・・登山口から分、霊山山頂へ辿り着きました。
山頂の中央には霊山山頂遺跡があり、遺跡を囲むようなすり鉢型。
僧侶が修行する清浄な場所として創建された伽藍が遺跡として残ります。
霊山の名はインドの霊鷲山に由来するんですね。
山頂遺跡の中には聖観音立像が祭られています。
これまでの無事に感謝して、帰路の安全を祈念しました。
霊山山頂からは素晴らしい眺望が広がります。
この眺望は標高以上!
芝生に開かれた山頂に眺望・・・
大好きな入道ヶ岳と似た雰囲気の山頂に癒されます。
経ヶ峰からも見えていた青山高原の風車達。
轟々と音を立てて風の力を電力に変えてくれています。
ちょっぴり無粋な無線中継所。
実はここまで車で登れちゃうんです。
錫杖ヶ岳に続き、布引山地の第二弾として選んだ経ヶ峰。 標高が低く、歩行距離が長いのでゆったり登られます。 ...
先ほど登って来た経ヶ峰、奥にちょこんと顔を出しています。
通年で楽しめる展望の山 経ヶ峰・北笠岳 笹子谷ルート
霊山山頂は外堀にベンチが設置されています。
時間があれば日向ぼっこしながら居眠りするのにな・・・
2座目の疲れもあってしばらく休憩、帰路は25分で駆け下りました。
まとめ
鈴鹿セブンマウンテンを登り終え、更に南下した布引山地。
錫杖ヶ岳、経ヶ峰に続き、3座目に選んだのは霊山。
鈴鹿山脈と比べて積雪が少なく、四季を通して楽しめます。
霊山寺には樹齢300年のオハツキイチョウの大木があり
山頂部には県天然記念物指定のアセビやイヌツゲの群落が楽しめます。
白藤渓谷の白藤滝を加えるのも良いでしょう。
ひっそりとした登山道の奥には磨崖仏や中世寺院遺跡が待っています。
静かな山歩きが好きな方におすすめのお山でした!
最後まで読んでくださってありがとうございます!
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