南アルプス

雲海に浮かぶ白砂の稜線歩き!鳳凰山 ドンドコ沢~中道

2016-10-06


鳳凰山は圧倒的な存在感を誇るオベリスク、賽の河原はまるでファンタジーの世界!
荒々しく迫力のある岩稜帯に美しい白砂の稜線歩き。
一つ一つのスポットが本当に素晴らしいお山でした!

概要

山梨県の南アルプス北東部に位置する「鳳凰山」
最高峰の観音岳(2,841m)・地蔵岳・薬師岳の3山の総称。
鳳凰山がどの山を指すか諸説あるため、鳳凰三山とも呼ばれている。
山頂部からは北岳・仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・八ヶ岳・富士山などを眺められます。

(「鳳凰三山-韮崎市観光協会 」より)

今回は青木鉱泉からドンドコ沢を登り、鳳凰三山を縦走、中道で戻るルート。
ガイドブック等では1泊2日を推奨していますが1日で踏破してきました。
体重100kg超のたっくんも踏破・・・行ける気になってきませんか?

日程 2016年8月14日
ルート 青木鉱泉 ⇒ ドンドコ沢 ⇒ 鳳凰小屋 ⇒ 地蔵岳 ⇒ 観音岳 ⇒ 薬師岳 ⇒ 中道
グレーディング 体力度 5/10 難易度 C/E
アクセス Googleマップで「青木鉱泉 」を検索する!
三角点 観音岳 二等三角点 「観音岳」
周辺情報 青木鉱泉駐車場 100台 700円
武田乃里 白山温泉 10:00-21:00 大人:600円 小人:400円

トレッキングレポート


(5:25)
4時半のアラームで目覚めたものの、車内に響く雨音に寝直し・・・
時刻は5時半。雨が少し弱くなり、準備を始めます。
準備中も続々と車が到着し、半分も埋まっていなかった駐車場がこの通り。


南アルプスの人気山だけあって案内も充実。
案内板に従い青木鉱泉へと歩き始めます。


こんなところにバス停が・・・本数は限られていますが登山には十分!
しかしながら、始発が8時50分ではかなりの健脚でなければ日帰りは難しいでしょう。


(5:30)
青木鉱泉にはベンチにトイレがあります。
雨戸も完全に閉じられて営業されているのかな・・・?


黄色い登山ポストに登山届を投函。
練習も兼ねてたっくんにお願いしました。


登山ポストから振り返り、ベンチを横切ればドンドコ沢登山道。
少し荒れ気味ですが、念願の鳳凰山登山はここから始まります。


引き続き砂利敷きの明瞭な道。
雨上がり後で湿度は高く、青空は見えないまま・・・
足元がさほど悪くないのが幸いでした。


(5:45)
濃霧のドンドコ沢へ入渓。
綺麗に並べられた置石のおかげで不安なく進めました。


小さな沢をまたいで山へ入り、登山が本格的に始まります。
高まる気持ちに呼応するかのように歩みが速くなっていく!


南アルプス屈指の人気山だけあって案内もしっかり!
必要なところには確実に設置されている印象です。


パッと見でびっくりする薄い登山道。
雨上がりもあって足を滑らせればズルズルと滑り落ちて行きそう。
歩いてみると何も問題もない良くあるタイプでした。

花弁がだらしなく下がるマルバダケブキとシラヤマギク。
花に気が回らなかったので、想定外の歓迎に大喜び!


(6:35-45)
1時間ほど登ったところにある谷前の広場で小休止。
休憩にぴったりのスポットでした。
花の写真撮影で鈍足化しているいちに代わりたっくんが先行。


少し降りるとなかなか迫力のある沢。
「ここで休憩すれば良かった!」とちょっぴり残念な気持ち・・・

ミヤマバイケイソウとミヤマアキノキリンソウ。
南アルプスは2山行目。見慣れない花々が新鮮です。


(7:00)
名もない滝だけど、岩肌を滑り落ちる滝には目を惹かれます。
雪彦山の虹ヶ滝が脳裏に浮かびました。


(7:02)
ドンドコ沢登山道と南精進ヶ滝の分岐。
南精進ヶ滝の下には小さく「滝展望台経由地蔵岳」
そのまま合流できるなら立ち寄らない理由はありません。


(7:05)
わずか数分で南精進ヶ滝の入口。
国土地理院地図にも掲載される滝・・・楽しみです。


滝を見に行くのにまさかのロープで岩場越え!
ロープの強度に不安があるので急なところほどロープに頼らずに・・・


(7:07-10)
ドンドコ沢の三滝の一瀑、南精進ヶ滝。
修験者の行場から名付けられました。


南精進ヶ滝は上下二段の滝となっています。
この真ん中の滝壺でくつろげたら・・・と思ったけれど
水しぶきで全然くつろげないでしょうね。

ドンドコ沢登山道へ合流するまでも新たな花が出迎えてくれました。
南アルプスの特産種タカネビランジ、南アルプスの特産種カイタカラコウ。
根に香りがあるので「宝香」。どんな香りがするんだろう?


(7:25)
ドンドコ沢登山道へ合流してこちらの水場で給水。
顔を冷水で拭って地図を見ると鳳凰小屋までのおよそ中間地点。
鳳凰小屋で一泊を考えていましたがこのペースなら日帰りも!


(7:40)
国土地理院には未掲載の鳳凰の滝分岐。
踏跡がぐっと薄くなりますが時間に余裕はある・・・寄って行きます。


(7:50-55)
右奥に見えるのが鳳凰の滝。
丸くえぐられた曲線が鳳凰のシルエット・・・?
近付くには少し時間が掛かりそうなのでここで撤退です。


(8:05)
鳳凰の滝は登りと下り、それぞれに入口があります。
登りの分岐へは戻らず、下りの入口へ抜けました。


(8:15)
名前がないのが不思議な大きな岩屋。
申し訳程度に添えられた木には不安しか感じられません。
鳳凰の滝から出始めた霧がどんどん濃さを増してきました・・・。


(8:20)
鳳凰の滝から白糸の滝へは一番の急登が始まります。


岩がごろごろと露出する登山道。
足元に集中しながら進むので意外なほど疲労はありません。


気付けば岩がこんなに大きくなっていました。
霧で岩の表面が滑りやすくなっているので更に注意!


(8:45)
鳳凰の滝は意外と遠かったので警戒していましたが
この白糸の滝は入口からすぐ!


(8:45-55)
ドンドコ沢の三滝の一瀑、白糸滝。
まだ近付けますがここで十分!
白糸滝を眺めながら携行食をしっかり補給。

白糸滝から五色滝へ進めば緩やかな巻道へ。
陽当たりが良く多くの花々が出迎えてくれます。
絶滅危惧Ⅱ類に指定されキタザワブシとタマガワホトトギス。

鳳凰山固有種のホウオウシャジン。水滴をまとった薄紫の可愛いお花。
ヤマホタルブクロ。か美味しそうだけど、空腹のせいかな?


米粒のように小さく可愛い花を咲かせるのはヒナコゴメグサ。
風にそよそよと揺られる姿は森の妖精のようでした。


(9:25)
五色滝入口の小広場にはランナーが足を休めていました。
ドンドコ沢の三滝もこの五色滝で最後・・・もちろん立ち寄って行きます。


(9:30-35)
・・・濃いガスに包まれた五色滝でした。
滝壺付近まで近付けますがこれ以上近づくとフレームに収まりません。
舞い散る水しぶきのせいか多くの花が咲いていました。


激しく崩落した丸太階段も踏跡しっかり。
左から回り込んで階段へ合流します。


鈴鹿山脈のようなザレたところもありました。
ここを抜ければ鳳凰小屋まではほぼ平坦地。


少し明るくなってきたので空を見上げると青空が!
小雨に諦めず挑んで良かった・・・


花崗岩の砂利が敷かれた川原へ出ました。


(10:00)
危うく間違えそうになった分岐。
国土地理院地図は左ですが、ペンキの案内は右。
踏跡も左へ続くので崩落したんでしょうね。


鳳凰三山の一角、地蔵岳を正面に見据え、ゆっくりと高度を上げていきます。


(10:10-11:05)
宿泊を予定していた鳳凰小屋へ到着・・・先行したたっくんがいない。
補給しながら待って30分、合流できて一安心。


鳳凰小屋は見事なヤナギランのお花畑が広がっています。
花の時期を選んで来たわけではないけれど、本当に良いタイミングで来れて良かった!
水場の水は冷えていて美味しくいただきました。


鳳凰小屋主の細田さん。
温かく見守られているかのような印象を受ける素敵な方でした。
「この時間なら日帰りは十分可能」との言葉に日帰り挑戦が決定。


地蔵岳山頂部は砂丘のような柔らかい登山道。
踏みめばめり込む足元はみるみる体力を奪っていきます。


ザレた急登を息を切らせながら登り続けてやっと鞍部が見えた!
右手には木に隠れているけどオベリスクも!


アルプスデビューのたっくんも初めての眺望に目を見張っていました。
里山から始めて、鈴鹿で鍛え、いちからの卒業式として企画した今回の山行・・・
まだ半ばも過ぎていないけれど、今後のモチベーションとなってくれるでしょう。


更に視線を移せば雲海が広がっていました。
自らの足でこの高さまで登った事実に達成感が湧き上がります。


(12:00)
こちらがかの有名な地蔵岳のオベリスク!
やっぱり写真で見るのと肉眼で見るのは大違い!
圧倒的なスケールの大きさに思わずこのポーズ。


もしかしてオベリスクの頂に立てる・・・?
悩まれていた方に「一緒に行きましょう!」と声を掛け、共に進みます。
中央、左に横たわる棒状の岩から登って行きます。


この狭い隙間を通ってオベリスクの左側へ回り込みます。
パっと見でここを通るだなんてまず分かりません。


更に狭い隙間はザックを背負ったまま通れません。
ザックを下ろし、四つん這いで通り抜ければオベリスクの頂上直下へ。


(12:20)
頂上直下は2本の鎖が確認できましたが、鎖が短すぎて上の鎖に手が届かない!
あれこれ悩みましたが、滑落したときを考えここで断念。


高嶺の奥に見えるのは仙丈ヶ岳。
次の南アルプスは甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳を狙っています。


オベリスクの北にある小ピーク。
標高3,000mに満たない地蔵岳ですが、雲海がその高度感を増しています。
南アルプスの名立たる山々が見えないのは残念ですがこれも絶景!


絶景を満喫してオベリスクを後にします。
高度感はありますが、足元がしっかりしているので恐怖感はありませんでした。


(12:45)
たくさんの地蔵が立ち並ぶ賽の河原。
雲海の奥には甲斐駒ヶ岳が隠れています。
甲斐駒ヶ岳が姿を見せればまた違った景色になるのでしょうね。


地蔵岳の山名板は賽の河原にあります。
ここから写真を撮ってくれと言わんばかりのロケーション!


次に向かうのは薬師岳。
赤抜沢の頭を越えると一度下っての登り返しが待っています。


(12:55)
赤抜沢の頭から高嶺へと続く荒々しい稜線。
見ているだけで心が踊りますが、今回はお預け
この稜線を歩くのは夜叉神ルートと甘利山ルート・・・また来ます!

ザレた稜線にひっそりと咲くホウオウシャジンとタカネビランジ、ヤマハハコ。
岩陰で力強く咲いていました。


足に優しい白砂のザレた登山道。
地蔵岳への登りは苦戦しましたが下りは負荷を軽減してくれます。


鞍部に近づくに連れてゴツゴツとした岩が出てきました。
「転んでも平気!」の勢い任せの下りは残念ながら終わり・・・


登り返して振り返ると赤抜沢の頭の荒々しい岩稜に目を奪われました。


(13:45)
小ピークと観音岳の鞍部にある鳳凰小屋分岐。
ここから鳳凰小屋への撤退も考えていましたがいらぬ心配でした。
その理由は・・・たっくんがまさかの先行。想像以上の良いペース!


たまに表れる雲の切れ間に元気がみなぎってくる!
「光合成でもしてるのか?」と笑えば歩みはより速さを増して行きます。


大台ヶ原で見損ねた大蛇嵓はここにもあった!
あの先に立ってみたいと思うものの、いざ立てば膝はガックガクでしょうね・・・


急登を登り切れば間もなく鳳凰三山最高峰の観音岳。
ここから最後の薬師岳まで軽快な登山道が続きます。


地蔵岳のオベリスクを振り返れます・・・晴れていれば。
しかし、こちら側は何回見てもため息の出る荒々しさ。
青空の下、写真に収めたかった!


(14:10-20)
登り始めてから9時間弱で鳳凰山最高峰の観音岳へ登頂。
鳳凰小屋のたっくん待ち、オベリスクの時間を除けば8時間ほどでしょうか?
全行程から見ればまだ折り返し地点・・・ペースを上げなければなりません。


雲間からのぞくのは富士山に次ぐ日本第二の高峰、北岳。
それと気づいたのは帰ってから・・・気づいていればもう一つ感動を味わえていましたね。
もったいなかったな・・・


薬師岳への登山道は緩やかに下って、緩やかに登り返し。
観音岳前から稜線に掛けて富士山が見られます。
・・・今回はチラリとも姿を見せてくれませんでした。


ドンドコ沢で見かけたタカネビランジは鮮やかなピンク色でした。
稜線上でタカネビランジはどれも淡いピンク・・・栄養不足なのかな?


鳳凰三山、最後の一座となる薬師岳。
最高峰の観音岳やオベリスクのある地蔵岳と比べると少し大人しい印象・・・
いや、晴れていれば絶好の富士山展望が得られます!


観音岳から20分ほどで薬師岳へ到着。
広い山頂には腰を下ろすにぴったりの岩がごろごろしています。


(14:40-15:00)
南アルプスデビューのたっくんも良い笑顔!
困難だと思っていた1日踏破を達成し、今後の自信に繋げられたかな?
鳳凰三山踏破を噛みしめながら最後の眺望を目に焼き付けました。


薬師岳から去る前にこれまでの縦走路を振り返り。
残念ながら地蔵岳は見えないものの、雲海に浮かぶ稜線はまさに天空の回廊。
本当に気持ち良く歩けました。


下山は中道を通って青木鉱泉へ。
薬師岳と青木鉱泉の標高差はおよそ1,700m・・・長い下りの始まりです。
中道へはペンキの案内が充実。本当に助けられました。


森林限界のハイマツ帯を駆け下りて行きます。


木の高さが増し展望は得られない中、黙々と降りて行きます。


(15:35)
圧倒的な大きさを誇る御座石。
お約束の「ここは俺に任せて行けー!」は外せない!
案内板によると青木鉱泉へは2時間45分。


(16:35)
気付けば笹敷きの登山道へ。
この辺りからたっくんのペースが大幅ダウン・・・さすがに疲れが出て来たようです。


(17:10)
林道を横切り、再び登山道へ入ります。
この時点で標高は1,600m・・・1/3を切り終わりが見えてきました!


(17:40)
水が底を突いていたので水場が本当にありがたかった!
水量が少ないのでパイプをずらすとにごってしまいました。
軽く口を潤してからで本当に良かった・・・


数軒の廃屋を横目に平坦な道を歩いて行きます。
昭和大山林部・・・山岳部ではなく山林部?


(17:45)
日暮れ前に中道登山口まで降りれてほっと一息。
ここからは青木鉱泉へは40分もの林道を歩き・・・もう一がんばりです。


(18:30)
青木鉱泉へ戻ると車に駐車料金の請求書が置かれていました。
管理人が不在だったのでナンバーを記入し、登山ポストへお金と共に投函。
この後、武田乃里 白山温泉で汗を流して帰路につきました。

鳳凰山は一昨年前から知りつつも、穂高・槍ヶ岳・石鎚山の魅力に勝てず
この夏にやっと訪れました。
「南アルプスは北アルプスと比べ地味」なんて仰る方もいましたがとんでもない!

ドンドコ沢は南精進ヶ滝・白糸滝・五色滝の三名瀑があり、花も豊富。
地蔵岳に上がれば圧倒的な存在感を誇るオベリスク。
雲上の賽の河原はまるでファンタジーの世界でした。
荒々しく岩稜帯に美しい白砂の稜線歩き。
本当に一つ一つのスポットが素晴らしいお山でした!
また訪れるときは今度こそ富士山が見られればと思います。

この長い記事を最後まで読んでくださってありがとうございます!

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