東海・北陸

背比べに負けた尾張富士の山頂に小石を届けよう!

2017-03-29


参道には大きな献石碑が立ち並び、独特の雰囲気があります。
小石を山頂に運ぶだけで登山の楽しさは2割増。
里山では屈指のおすすめしたいお山でした!

概要

愛知県犬山市の南部に位置する標高275mの山、「尾張富士」
日本各地にある「富士」と呼ばれる郷土富士の1つであり、尾張三山の1つ。
隣の尾張本宮山との背比べ伝説がある。
負けた尾張富士では石を山頂に担ぎ上げる奇祭、石上げ祭りが毎年8月第一日曜に開催されています。

大宮浅間神社の参道で山頂に至り、林道を経て句碑のみちで戻る周回コースを歩いてきました。

(「尾張富士・入鹿池ガイドマップ-犬山市観光協会 」より)

日程 2017年3月4日
ルート 大宮浅間神社 ⇒ 中宮 ⇒ 奥宮(尾張富士) ⇒ 林道 ⇒ 句碑のみち ⇒ 大宮浅間神社
アクセス Googleマップで「尾張富士参拝者駐車場 」を確認!
三角点 尾張富士 四等三角点 「尾張富士」
交通機関 岐阜バス 明治線(犬山駅東口 ⇔ 長者団地) 10-15分 320円
周辺情報 大宮浅間神社 参拝者駐車場 20+30台

トレッキングレポート


(12:30)
大宮浅間神社の鳥居をくぐってすぐの参拝者駐車場は20台ほどのスペース。
突き当たり右奥にも参拝者駐車場がありますが、部外者なので遠くをお借りしました。


大宮浅間神社の祭神、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが夢枕に立ち、本宮山と比べた背の低さを嘆いたとされる背比べ伝説。
そこで村人が山を高くしようと石を運び上げたのが献石のはじまりとされています。
駐車場から手頃な石を手にし、尾張富士登山が始まります。


・・・の前に少し降りて尾張富士と尾張本宮山。
尾張富士と尾張本宮山の背比べ伝説を聞くと養老の滝と不破の滝の喧嘩を思い出します。
大自然のそのものである山や滝の神々が「俺の方がすごい」と揉める姿はどこか親しみを感じますね。


(12:50)
砂利が綺麗に敷かれた参道から大宮浅間神社へ入って行きます。


大宮神社境内の参拝者駐車場へと続く車道を横切ればやがて本殿へ。


本殿の前にはえんむすびの松。
男性は右回り、女性は左回りに2周しましょう。
男女がぶつかってそれが出会いになったり・・・?


大宮浅間神社の祭神である木花咲耶姫は生活の全てをお守りしてくださります。
この山行の安全、家内安全を祈願しました!


(13:00)
大宮神社参道と句碑のみち分岐。
左を進めば献石が立ち並ぶ参道、右へ進めば句碑の立ち並ぶ句碑のみち。
多くの人が句碑のみちに向かうけれど、尾張富士は信仰の山・・・参道行きましょう。


多くの岩が露出していますが登山道としてみれば快適そのもの。
参道に立ち並ぶ石碑の数は長く愛されてきた証。
伏見稲荷大社の鳥居のように大宮浅間神社では石碑が奉納されています。


異彩を放っていのは元巨人軍監督の王貞治による献石。
見落としたものの元横綱千代の富士の献石もあるそうです。


(13:05)
献石碑に歴史を思い描きながら、ゆっくり歩いて5分ほどで中宮です。


(13:05-10)
麓の本殿と比べると小さな中宮。
周辺には小さな石碑が立ち並んでいました。


この小さな石碑群は同じ方が続けて献石されています。


新しい石碑にはまだ自然と馴染めていないものもありました。
ここまで歴史に浸りながら来ていたのでちょっと無粋な感じ・・・


人魚の肉を食し、800年生きたとされる八百比丘尼の手形が残る岩。
女人禁制である中宮奥へと進んだため、神の怒りに触れこの岩から手が離れなくなったそうな。


石のベンチかと思いきや折れた献石碑でした。
百年残ると思いきや朽ち折れてしまうとは・・・


斜面に立ち並ぶ献石碑は圧巻。
人の手で献石されたはずの石碑が神域と一体化しているかのよう!


山頂を巻くように大きな石が散らばる登山道が続きます。
外側には岩のない迂回路がありました。


(13:30)
ゆっくり歩いて30分ほどで奥宮のある山頂へ辿り着きました。


皆が運び上げた小石が大量に積まれています。
長い年月を掛ければ尾張本宮山を越えるのも夢ではなさそうですね!
そうなったとき、背比べ伝説は新たな展開が・・・?


駐車場から運び上げた小石を献石しました。
小石を拾って山頂に置くだけで伝説を追体験できます。
たったこれだけで登山を更に楽しめました。


(13:35-14:00)
奥宮の裏に回ると、入鹿池から岩見山・八曽山へ連なる眺望が得られる。
尾張三山を縦走するときは石段を下って入鹿池へ進みますが、それは次のお楽しみ。


陽あたりの良い石段で休んでいると後ろから「にゃーん」
しなが猫語で話しかけてみるけど、猫はどんどん悲しそうな声に・・・
近づくと少し離れて振り返り、鳴き続けてる。
しな
しな
付いて来いって言ってるんじゃない?


猫に導かれるままに南の石段を降りていきます。
立ち止まると振り返って早く来いと声を掛けて来る・・・間違いない!

いち
いち
ジブリの世界みたいで面白いね!
集会に連れて行かれるのかも?
しな
しな


猫の案内に合わせてゆっくり降りればやがて石段も終わり。
獣道にも入らず明瞭な道を進んで行きます。


(14:10)
林道との合流地点には駐車スペースもありました。


ここで案内猫は山の斜面へと消え、別の猫が案内を引き継ぎ。
気が付けば猫に前後を挟まれていました・・・護衛してくれてるのかな?


この分岐を越えたところで猫の案内は終わり。
見送ってくれた猫にお礼を言ってそのまま林道を進みます。


そのまま林道を降りても大宮浅間神社へ降りられます。
せっかくなので句碑のみちを歩いてみました。


(14:30)
句碑のみちに入ってすぐの俳聖苑。
広場の周りを囲うように高名な俳句碑が立ち並んでいました。


(14:35)
弘法大師が掘り当てたとされる金明水。
喉を潤すにはちょっと抵抗が・・・


句碑のみちは参道のような荒々しさはなく凛とした落ち着いた感じ。
参道と同じく多くの方々が尾張富士を目指して歩かれているようです。


(14:40)
参道と句碑のみち分岐に戻ってきました。


(14:50)
参拝者駐車場へ戻ると山頂から案内してくれた猫がお出迎え。
「どこ行ってたんだよ?ちゃんと付いて来いよ」と怒っているような・・・


猫が続々とお見送りに来てくれました。
もしかしたら献石のお礼に来てくれたのかな?
だとすると尾張富士の猫は木花咲耶姫の使者なのかもしれませんね!

尾張富士は奇祭の舞台だけあって地元の愛が感じられました。
大きな献石碑が立ち並ぶ参道は独特の雰囲気があります。
小石を山頂に運ぶだけで登山の楽しさは2割増。
里山では屈指のおすすめしたいお山でした!

最後まで読んでくださってありがとうございます!

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